2017年10月30日

第44話「クブンヘンコーシンセー」

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利用している介護事業所から連絡があり、母チコちゃん(86歳)の「クブンヘンコーシンセー」をしたいとの要望があった。
クブンヘンコーシンセーとはなんぞや?
事業所との会話では、クヘンとも略されているようだが、もちろんバームクーヘンとは何も関係がない。
だんだん話しているうちにどうやら区分変更申請らしいとわかってきた。
要するに、現在要支援1で介護サービスを受けている母チコちゃんだが、支援1には相当しないと介護事業所が判断したのだ。
なぬ〜っ、それってまた申請書を出して、訪問調査に立ち会い、介護認定通知を受け取り、介護サービスの契約をするという、あの一連の流れをもう一度やるということなのか?
これまで第一次と第二次の遠距離介護ツアーでいろいろやったことがリセットされるなんて、あの大騒動はいったい何だったんだよ〜!と叫びたいのをジッとこらえて、「わかりました」と答えたのだった。
さっそく申請手続き開始である。
申請書の提出手続きは、実家からクルマで1時間の所に住んでいる妹U子にたのむとして、訪問調査のほうは、前回は近所に住む親戚のS子さんに立ち会ってもらったので今回はボクが行くしかないだろう。介護認定通知の郵便は、前回は父ハム夫くん(92歳)が受け取ってどこかにしまいこんでしまい大探しをしたが、あれ以来郵便物は妹U子のところに転送するようにしたので、今回は大丈夫だ。
こうして、第三次遠距離介護ツアーへの道が開かれた。
やれやれ、いつまでこんなことが続くんだよ、というココロのつぶやきツイート。
第45話につづく
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2017年10月27日

第43話「混乱する母」

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遠距離介護の欠点は、近くにいないぶん実際の状況がよくわからないこと。
連日のように事業所や、ご近所や、地域包括センター等から連絡が入るのだが、それらを総合してみると、浮き上がってくるのは、うろたえて混乱する母チコちゃん(86歳)の姿だ。
【玄関の鍵さしっぱなし事件】
訪問した看護師さんが、玄関ドアに鍵がさしっぱなしなのを発見して注意したところ、母チコちゃんは「これは父ハム夫くん(92歳)のしわざじゃ、ハム夫くんはいつも施錠ばかりしてるから」と言ったのだそうだ。確かにハム夫くんは施錠に執着していてすぐに鍵をかけるのだが、それは家の中からのチェーンロックに限ってだから、ほとんど外出しないハム夫くんが玄関ドア外の鍵穴に鍵をさしっぱなしにすることは考えられない。たぶん、母チコちゃんが自分で鍵をさしっぱなしにしていたのを忘れたのだろう。
【買い物カート事件】
近所に住む親戚のS子さんに、母チコちゃんが、買い物カートがなくなったと訴えたそうだ。それもただの紛失ではなく、父ハム夫くんがどこかに捨てたか隠したと言うのだ。そんな大きいものをハム夫くんがどうかするとは考えにくい。これをきいてピーンときたS子さんは、愛車をぶっ飛ばして近所のスーパーに行き、店内に放置してあった買い物カートを発見して持ち帰ってくれたのだった。なんでもかんでも自分の周りの不可解なことをハム夫くんのせいにする母チコちゃんだった。
【父ハム夫くん意識不明事件】
介護事業所からの電話で、父ハム夫くんが意識不明なので今スタッフが家に向かっているとの連絡がはいった。えっ、どーゆーこと?慌てて家に電話したら、すでに到着していた介護事業所スタッフが電話に出た。
スタッフが母チコちゃんにきいたところによると、気付いたら玄関先に座り込んで意識不明だったとのこと。スタッフによると現在は血圧は少し高いものの熱もなくとくに異常はないと報告だった。本当に意識不明だったのか疑問は残る。単に座ってボーッとしていただけなのかも知れない。
とまぁ、お騒がせ続きの母チコちゃんだが、当の本人が全然深刻でないのだけが救いではある。
第44話につづく
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2017年10月25日

第42話「情報共有は20世紀方式」

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遠距離介護は、実際に近くにいないぶん情報がより大切になる。
連日、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)に関して、キーパーソンたるボクのところにさまざまな情報がはいってくる。
情報の出所は、地域包括支援センター、市役所、介護事業者、かかりつけ医、民生委員、近所の人々などからだ。
これって、昔何かで習ったステークホルダーとかいうものでしょうか。違うかも知れないが、まぁ平たく言えば関係者ですね。
この関係者間で、情報共有ツールやアプリを利用すれば話は早いのだが、全然そうはいかない。
話が早いと言うより、遅い、遅い。
遠距離介護で、これらの人々と連絡をとりあうことが増えたのだが、一番頻繁に使われる手段は電話なのである。
21世紀に入ってからは公私ともにインターネットで事足りるようになっていたのに、電話、しかも固定電話にバンバン連絡が入って来る。もう何年も固定電話は使用していなかったのでそろそろ解約しようかとも考えていた矢先だったので、これにはビックリしている。
そう、遠距離介護の連絡手段は20世紀方式なのだった。
介護事業所とショートメッセージで連絡をとる場合もあるが、これも一台の携帯電話を共同で使っているらしく、なかなかケアマネ本人には連絡がとれなかったりする。
そんなわけで、両親の介護関連では、通常のメールやらLINEは使っていない。
唯一の例外が、近所に住む親戚のS子さん(75歳)で、LINEを使えるのでとても助かっている。
これらの人々からの情報をまとめて、一ヶ月に一度月例報告としてPDFを、実家からクルマで1時間の所に住んでいる妹にメールに添付して送っている。PDFにするにあたって一ヶ月分のメモを整理していると、ずいぶん前の出来事だと思っていたことが、ああこのトラブルは今月だったのかとびっくりすることもある。介護する方もされる方も時間の流れがこれまでの日常とは違っていることを実感するのだった。
この月例報告をいつまで続けることになるのか。
マンガの連載と同じで、急に始まり急に終わるかも知れないし、ダラダラと当人もビックリの長期連載になるかもしれない。作者急病により休載しますなんてこともあるかも知れず、先は読めないのだった。
第43話につづく
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2017年10月23日

第41話「三日で二度転倒」

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父ハム夫くん(92歳)が三日で二回転倒した。
それなのに、母チコちゃん(86歳)は、この事を全然心配していない。
第1回目の転倒は、父ハム夫くんの居室で転倒したらしい。
らしいというのは、誰もそれを目撃していないからだ。
母が買い物に行って帰ってきたら、畳に突っ伏して倒れていたのだ。
そこで母がとった行動は119番に電話ではなくて、地域包括支援センターに走っていき、いつもお世話になっているTさんに知らせたのだった。
すぐにTさんと保険師さんがかけつけ応急処置をしてくれたのだが、この件に関してボクが知るのはしばらく後になる。
センターに帰ってから、Tさんがボクに電話をしてくれて事の顛末がわかったのだが、頭をうった可能性もあるから病院に行った方がいいのではとTさんが母に言っても、母は「大丈夫、大丈夫よ」と言うばかりだったらしい。
その翌々日、母の留守中にまたしても父は転倒した。
今度は台所で、コーヒーメーカーが割れて床に散乱し、そこに尻餅をついた状態だったらしい。
今回は、近所に住む親戚のS子さんの知るところとなり、病院には行かなくていいよという母を説得して、クルマをぶっとばして外科まで連れて行ってくれたのだった。
幸い、骨には異常がなかったものの打撲は相当はげしかったようだ。
転倒して数日後に実家に行った妹のU子が、父の傷跡を撮影してLINEにアップしてくれた画像を見ると、小指から上腕部にかけて内出血していて痛々しかった。
母に電話して「次にこんな事があったら救急車をよぶんだよ」と助言したが、「大丈夫、大丈夫」という返答だった。
大丈夫と言う母チコちゃん自身が、全然大丈夫じゃないのではと思う遠距離介護者のボクだった。
八百キロ離れた両親が住むH県M市は遠い。
第42話につづく
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2017年10月20日

第40話「金銭管理大混乱」

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二人でなんとか毎日を過ごしている父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)だが、いかんせん金銭管理ができない。
一時はゴミに出してしまった通帳を回収して、印鑑も照合し、キャッシュカードも再発行したが、この状態では二人にまかせられない。
父ハム夫くんに「金銭管理は代行するよ」と言って、なんとなくうなずいたので承諾したものとして、印鑑や通帳などは貸金庫に保管しているのが現状だ。
介護関連経費はその都度引き出し、後で参照した時にわかりやすいように、使用項目を鉛筆で通帳に記している。
生計費は一ヶ月毎に、母チコちゃんにまとめて渡すことにした。
金銭管理はこれでひと安心と思ったある日の早朝、母から電話があった。
ポケットに五千円しかないからお金を送れと言っている。
先日の第二次遠距離介護ツアーから帰京する時に生計費を渡しておいたので、まだ手元には現金があるはずなのにと考えていると、電話の向こうで近所に住んでいつもお世話になっている親戚のS子さんの声がする。
電話を変わってもらうと、なんでも二人で墓参りに行った帰りに、クルマの中で急に母チコちゃんが、お金がないと言い出し、75歳の飛ばし屋S子さんがアクセル全開で帰宅してきたところなのだそうだ。電話の向こうでは母のオロオロする声が聞こえる。
たしか母はショルダーバッグのポケットを財布がわりに使っていたので、そのことをS子さんに話して調べてもらったら、ボクが渡した封筒が手つかずのままあった。母が自分でしまったのを忘れていたのだ。
一件落着。
と思ったら、午後にまた母から電話。
今度は変な請求書がきたというのだ。時間をかけてききだすと、それは介護サービス事業所からのものだった。捨てられては困るので、とりあえず保管するように言って電話を切る。
すぐに事業所に連絡をして確認したら、毎月、サービス明細と金額を記した書類に認め印が必要ということだった。介護サービス契約者の父ハム夫くんと母チコちゃんが対処すればいいのだが、二人は金銭管理ができなくなっている。それだけでなく二人は介護保険を利用してサービスを受けている自覚がなく、事業所スタッフをボランティアの若者と思っているのだから、請求書の確認なんか論外なのだ。
事業所と相談して、今後は実家からクルマで約1時間の所に住む妹U子が処理することにきめた。さて、残る問題は母の手元にある今月分の請求書だ。
これも事業所と相談の結果、記載に不備があったので回収するということにした。
こうして無事に請求書も回収され、母もこの件は忘れてメデタシメデタシのはずだったのだが、その後も母から電話がかかってくる。
「あの請求書はどうなった?」と。
忘れてはいけないことはすぐ忘れるのに、忘れてほしいことはなかなか忘れない母チコちゃんだった。
第41話につづく
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