2018年01月29日

第70話「認知症サポーター」

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遠距離介護者としてKAIGO生活をはじめて以来、KAIGOに関連する文言に敏感になっている自分に気付く。
今回は区のウェブサイトで「区のお知らせ」PDFを見ていて、『認知症サポーター養成講座』という文字が目に飛び込んできた。
認知症サポーター養成講座?
略してニンサヨウ?
いや、なんでも略称にする傾向にあるKAIGO業界だが、そんな略し方はない。
内容を読み込んでみると、認知症サポーターとは、「認知症を理解し、地域で自分なりにできることを実践する人」のことのようだ。
さっそく申し込もうと、登録フォームを探したが見つからない。
介護関連での諸手続きでありがちなのが、ハガキか電話のみ対応というものだが、今回は電話だった。
電話をかけるのも面倒だが、受けるほうも毎回同じ問答を繰り返し、面倒だと思うのだがどうなんだろうか。
しかたないので、電話口で名前と年齢を言ったら、後は当日会場に来るだけでいいとのこと。こんなことなら当日先着順でいいんじゃないかとも思う。
当日、会場に行って受付で名前を名乗ると、申し込み時の電話での聞き間違いで、正しい名前で登録されていなかったが、まぁいいやとそのまま会場に入ったのだった。
けっこう広い会場に参加者はまばらで、やっぱり電話予約なんか不必要で当日直接参加でよかったんじゃないだろうか。
肝心の認知症サポーター養成講座は、机の上に配布された小冊子を教科書にして、90分程度で講師の講義と参考DVDを見るものだった。この小冊子が紙質も印刷もお金がかかってる感じで、こんなことに予算を使うのなら、もっと介護保険料を安くしてくれよと、ちょっと見当違いのグチをココロの中でつぶやく。
DVDのほうは、認知症サポーターのとるべき対応法を寸劇で見せてくれる内容なのだが、このDVDの雰囲気が何かに似ているなぁ、と思って考えたらハタと気がついた。それは運転免許更新時に見せられる交通事故関連の啓蒙DVDのような感じなのだ。
あえて内容については語らない。
つまり、これだけを見ても、あまり役には立たない。
そんなこんなで無事に講座を修了して、帰り際にオレンジリングなるものを手渡された。
べつに記念のお土産というわけではなく、「これを手首に装着して街に出て、サポーターとして活動してね」といった意味合いらしい。
しかし、今までそんな人を見かけたことがないのだが、果たしてどのくらい世の中に浸透しているのだろうか。
ボク自身、その後まだ一度もオレンジリングを腕につけて出かけたことはない。
第71話につづく
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2018年01月22日

第69話「探し物はなんですか」

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これまでの三回にわたる遠距離介護ツアーで実家に滞在して、いちばん目にした光景は、母チコちゃん(86歳)が何か探し物をしている図だ。
あれだけ探しまわっているんだから、たぶんそれは見つけにくいものなんだろう。イノウエヨースイにきいても、クリタヒロミにきいても見つからないだろう。もちろん父ハム夫くん(92歳)にきいてもわからない。
机の中やカバンの中を探しても見つからないようだ。そもそもカバン自体が見つからないことがしょっちゅうある。
カバンの中には家の鍵が入っているのだが、時によってはカバンはあっても鍵だけが見つからない時もある。
これはなんとかせねばいかんの〜と、遠距離介護ツアーから帰ってきて、Amazonで発見したのがキーファインダーなるもの。
なくしては困る鍵などに受信機キーホルダーを装着しておき、キーファインダー本体送信機スイッチを押すとピーピーと音がして、アッというまに探し物がみつかるというモノだ。
さっそく注文して、家に届いたのでテストしてみたところ、家の中なら充分聞こえる音量で、ちがう部屋からでもしっかり反応することがわかった。説明書によると最大で40メートル離れていても大丈夫だそうだ。
ウムウム、これは次の第四次遠距離介護ツアー時に持参すれば、いい働きをしそうだわいと思っていたら、iPhoneの着信音がした。
それは父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が契約している介護事業所スタッフからのものだった。
介護事業所スタッフの「お母様が今お出かけされようとしたら、家の鍵がないとおっしゃってますが…」という報告に、思わず絶句する。
こんなことなら前回の第三次遠距離介護ツアー時にキーファインダー導入をしておけばよかった。
次は、こうしようああしようと思う前に、すぐ実行しなければダメなことを学ぶ遠距離介護者だった。
第70話につづく
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2018年01月15日

第68話「介護施設見学」

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第三次遠距離介護ツアーから帰京して一ヶ月、やっと疲れもとれてきた。
現在契約している介護事業所のスタッフから渡されたリーフレットをジッと見ている。
系列のグループホーム、ケアハウス、特別養護老人ホーム等の写真が掲載されたシンプルな内容である。
まだ施設云々は先の事と考えていたが、とりあえず申し込みだけでもいかかがですかとの勧誘を受けたのだ。
料金などの詳細データの説明はない。
この事業所のウェブサイトを見ても、リーフレットと同じ内容でこちらが知りたい情報は得られない。
こんな時、現場近くにいない遠距離介護者はもどかしい。
幸いな事にウチの場合は、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が二人で暮らすH県M市からクルマで約1時間の所に妹U子が住んでいる。
「すまぬが時間のある時にでも施設見学に行ってくれんかの〜」とLINEで妹にメッセージを送る。
さっそく次の休みの日に行ってくれることになった。
しかも今回は頼もしい助っ人がいる。妹U子の連れ合いのR君だ。
R君は介護の経験もあり施設利用経験もあるので、このようなミッションにはピッタリなのである。
介護者と被介護者の実態を把握するには、施設見学はお昼時がいいんですよ」と実体験者ならではのアドバイスをいただく。
これならボクが見学に行くより256倍は頼りになりそうである。
介護施設見学の当日、すっかり安心してU子夫婦の連絡を待つのだった。
その結果報告によると、見学した施設は丁寧な介助だが規定人数ギリギリの運営のようであるとのことだった。
悪くはないが、現在父母が住む実家からクルマで30分と、少し遠いのはマイナス点である。
U子夫婦は、次週も別の施設見学にも行ってくれることになり、おまかせすることにした。ボクとちがって昔から行動力のある妹だったが、このような場合にも素早く対応してくれるので、口先だけで実行力のない兄は感謝するしかない。
遠距離介護者としてもなんらかの活動をせねばとも思うが、何も思いつかない。
そこに登場するのが妻の友人で介護施設勤務をしているFさん。妻によると、近々ランチを共にするとのことなので、さっそく「何か情報をとってくるべし!」とえらそーに」指令を出すのであった。
帰宅した妻の報告によると「株式会社が運営の施設はあまりオススメできないんだってさ」というものだった。全ての株式会社運営が悪いわけではないだろうが、なんとなくわかるような気もする。
株式会社運営の施設でいい面もある。
それは、運営サイトに比較的情報がたくさん掲載されていることだ。そのぶんお金もかけているのだろうが、スタッフブログが何年も更新されていないような施設のサイトよりはマシなような気もする。
そんなこんなで、いつかはやって来るであろう施設選びに思いを馳せる日々が続く。
第69話につづく
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2018年01月08日

第67話「略称だらけの介護施設」

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遠距離介護者の活動は、日頃の地道な活動も重要である。
具体的にはいろいろな情報収集だ。
今回は遠距離介護NPOの主催するセミナーにやってきた。
ズバリ本日のセミナーのテーマは「施設選び」。
パネラーは介護体験者や専門家で、実体験をまじえての貴重な内容である。
やはり一番記憶に残ったのは、親の施設介護を選択した参加者のお話だ。
介護する方、される方、様々な場合が考えられるので、これなら大丈夫という方程式はないとうことがわかっただけでも、とてもタメになったのだった。
ただ、例によって業界用語というか、略称が多くて最初は意味がよくわからなかったので、忘れないうちに列記しておこう。
●ショータキ
漢字でだと小多機、といっても意味不明だが、略さないと小規模多機能。
●サコージュー
沙悟浄ではなくて、サ高住。これもこのままでは意味不明。フルネームはサービス付き高齢者住宅
ローケン
ショーケンではなく、老健。介護老人保健施設というものだ。
その他では、ケアハウスも二種類あるのがわかったが、具体的にはよくわからない。
事ほど左様に、まだまだわからないことが多いが、いずれ施設を選ぶ決断の時はやってくるから、その心構えだけはしておこうと思えるようになっただけでも、このセミナーにやってきた意義はあったというものだ。
そうそう、介護サービス情報公表システムで施設の情報を得るのも良いとのお話もあった。さっそくいくつか検索して、施設のウェブサイトをリサーチしてみたが、チラシをそのまま貼付けたような内容の所が多くてあまりいい印象は持てなかった。それと連絡方法が電話かFAXだけというのがとても多いのには驚いた。事業所のブログも何年も更新されていないものが多いし、この業界のIT化の遅れが気になる。
てなことを考えながら、ビルの10階であったセミナー会場を出たらエレベータが満員だったので階段を下って行った。ところがこのビル、各階とも天井が高く、階段数もかなり多い。ふだんは10階くらいなら平気なのだが、だんだんヒザがガクガクしてきて、1階に着いた頃には平参平状態になっていた。
ココロの中で「ア〜ホ〜」と叫びながら、自分の加齢を実感したのだった。
第68話につづく
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2018年01月01日

第66話「春よこい♪」

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2018年あけましておめでとうございます。
って誰にいってるんでしょうかね、よくわかりませんが、新しい年になりました。
H県M市で暮らす父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)もコタツで丸くなっていることでしょう。
冬といえばコタツですが、コレに関してボクは、先の第三次遠距離介護ツアーでH市滞在時に大きなミスをしてしまったのであります。
それは第三次遠距離介護ツアーも終盤にさしかかりそろそろ撤収の日程を考え始めた秋の夕方のこと。
母チコちゃん(86歳)が「去年の今頃はもうコタツをだしとったわ」とポツリともらした。
その頃はまだ秋にしては暖かく、母チコちゃんの言葉に接して、そろそろそんな季節になるんだなァとぼんやり夕焼け空を眺めていたボクは大馬鹿者でした。
数日後、第三次遠距離介護ツアーを終えてボクは帰京した。
その日の翌日あたりから全国的に冬めいてきたのにボクは何も気付いていなかった。
その週の週末に、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らす実家からクルマで1時間のところにいる妹U子が二人の様子を見に行き、衝撃の報告をしてきた。
なんと、すっかり気候は冬になっているのに、実家では暖房器具を何も用意していなかったのだ。いや実際は、用意していないのではなく、用意する事ができなくなっていたのだ。
第三次遠距離介護ツアーで滞在していた時に、掃除機や布団乾燥機などの電気製品がうまく使えなくなった事に気付いていたのに、コタツのことまで頭がまわらなかったのが悔やまれる。あの時、ちょっと早いけどコタツを出しておけばよかった。
妹U子が家中探してコタツをいくつか見つけたが、接続するコードが見当たらず、またまた家中大探ししてコードを1本見つけ、なんとかセッティングは完了したらしい。もう灯油ストーブは危ないので電気ストーブも出しておいたとのことだ。エアコンのリモコンは二人とも使えるので、こっちは大丈夫…と思ったらリモコンを母チコちゃん(86歳)がどこかに置いて忘れてしまいまたまた家中大探しなのだった。最近の母チコちゃん(86歳)の思考パターンだと、何でもモノがなくなったら、父ハム夫くん(92歳)が隠したという流れになるのだが、今回もそのように妹U子に訴えていたようだ。
しかしリモコンは母の居室に行く階段に置いてあるのが発見されたのであった。例によって自分で置いた事を忘れているのだ。
母チコちゃん(86歳)は、去年まで使っていた灯油ストーブのことも忘れていないようで「やっぱり灯油ストーブを出さんとね」と言っている。これまでのストーブと灯油ポリタンクは既に妹U子が処分したのだが、ないと知ったら新品を買う可能性はある。お店に行って店員さんと会話する程度なら、誰も変だとは気付かないレベルなので、購入する可能性は高い。
心配である。
まだまだ冬は続くが、暖房のいらない春が早く来ないかと、春よこいのメロディを口ずさむ。
あっ、童謡ではなく、はっぴいえんどデス。
(つづく)
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