2018年02月26日

第74話「灯油ストーブが出現!」

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連日寒い日が続く日本列島。
父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)の二人が暮らすH県M市の実家も冷え込む日々が続いている。
まだまだ自力で食べて歩ける二人だが、生活道具がだんだん使えなくなってきていて、冬場の灯油ストーブの使用は危険である。
そんなわけでこの冬の寒さ対策の暖房器具は電気製品だけにしていたのだが、ある日のこと、実家の近所に住む親戚のS子さん(75歳)からLINEで連絡があった。
実家の前に灯油配達トラックがとまっていたので様子を見にいったら、なんと母チコちゃん(86歳)が灯油を購入していたとのことだった。
室内には灯油ストーブも設置してあったのだそうだ。
冬を前にして、実家からクルマで1時間くらいの所に住んでいる妹U子が、物置にあった灯油ストーブは持ち帰って処分したはずなのにどういうことなのだろうか?
S子さんが母チコちゃんから聞き出した所によると、ガレージから古い灯油ストーブを持ち出してきたらしいのだ。ハム夫くん(92歳)が運転免許証を返納してからクルマは既に処分していたのだが、ガレージは物置がわりに使っていて、その中にまだいろんなものが置いてあったらしいのだ。
よくきいてみると、灯油と電気を使用するファンヒーターらしい。これなら直火を扱うわけではないので、従来の灯油ストーブよりは安全だろう。少し安心する。
それに灯油を入れるポンプは実家にないようで、親戚のS子さんがその都度自宅用のポンプを持ってきて給油してくれることになり、少なくとも給油時に灯油がこぼれて火事になる危険性は低くなった。しかし、これとて母チコちゃんがどこかでポンプを購入したらかなりまずい。
このような場合、遠距離介護者はなす術がない。
介護と言うと、車椅子をおしたり食事の世話といったイメージがあるが、実はこのような日常生活の小さな危険を取り除いて、見守っていくことこそがキモなのである。
しかし、わざわざファンヒーターに灯油を入れるために800キロ離れた実家に行くことはできない。
遠距離介護者の悩みは尽きない。
第75話につづく
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2018年02月19日

第73話「愉快な煙感知機」

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母チコちゃん(86歳)の話す内容は、基本的にまとまらない。
終わりのないエピソードが延々続く。
そんな母チコちゃん(86歳)の無限ループ話の第1位は煙感知機ネタだ。
このハナシを最初にきいたのは、半年前の第一次遠距離介護ツアーでH県M市の実家に行ったときだが、例によって詳細はあやふや。
いわゆる5W1Hが全然説明できないのが母チコちゃん(86歳)の語る逸話の特徴だが、このオハナシはその中では割とはっきりしている部類のものだ。

●いつ?
いつのことなのか不明。初めてきいたのが半年前だから、少なくとも半年より前である事は確か。このエピソードは十八番のひとつのようで、その後、何度も何度も何度も…話していて細部も大体いつも同じだから信憑性は高い。
●どこで?
二階の自室。
●誰が?
母チコちゃん(86歳)自身がきいた。
●何を?
天井に設置した煙感知器の警報を。
●なぜ?
1階の台所のフライパンの空焚きを感知したから。
●どのように?
「火事です!火事です!」と言った。

母チコちゃん(86歳)は、この警告音声「火事です!火事です!」がよっぽど印象に残ったようで、何度も何度も何度も…自分で声色を使って再現してくれる。
とても楽しそうに笑いながら「火事です!火事です!」と何度も何度も何度も…。ホントは笑い事じゃないんだけど、楽しそうだから許すとしよう。
もうすぐスタートする第四次遠距離介護ツアーで実家に行ったら、また何回も、母チコちゃん(86歳)の「火事です!火事です!」をきくことになるのだろう。
まぁホントの火事にならなくて良かったと思う事にしよう、と固くココロに誓う遠距離介護のココロだ〜っ!
第74話につづく
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2018年02月12日

第72話「ハンニャの間」

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いわゆるゴミ屋敷というほどでもないが、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)の二人が暮らすH県M市の実家は、不用品であふれている。
旅行のお土産、何かでもらった賞状や記念品、布団類、衣類、半分こわれかけた電気製品やそれらのケーブル類などが、ふだん使われていない部屋につっこまれて室内はモノであふれかえっている。
これまでの遠距離介護ツアーで実家に行ったボクは、いつもそんな部屋に寝泊まりしている。
以下は、第三次遠距離介護ツアーで実家に滞在中に起こったあるできごと。
日中は二人の相手をし、夜は得体の知れないガラクタに囲まれて生活していると精神的に疲れる。フトンにもぐりこんで、ふと目を壁にやると、そこには般若のお面が掛けられている。どこかに旅行した時のお土産かも知れないが、ジッとこちらを見下ろしている。
そんなわけで、ボクは密かにこの部屋を「ハンニャの間」と名付けている。
般若と目を合わせたくないので横を向くと、地震に備えて家具等を固定するツッカイ棒のようなものが転がっていた。出入り口のガラス戸にはガムテープを貼ったあともある。今まで気がつかなかったが、いったいこれは何なのか?忘れないようにiPhoneにメモして眠りにつく。
翌日、この件について父母にきいてみたら、「お客さんの誰かが勝手に部屋をのぞいたり入ってきたりするので、出入り口にツッカイ棒をしたり、ガムテープで封印したんじゃ」と言うのだった。
その誰かとはダレ?ときいても「さぁ誰じゃったか」という予想通りの回答が返ってきた。
お客さんが来ることは最近はほとんどないような日々を送る二人の生活なのに、いったいこのツッカイ棒とガムテープの件は、どういう意味なんだろうか。
謎の多いこの家に、またひとつ謎が増えた。
真実は、壁にかかった般若のお面だけが知っている。
第73話につづく
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2018年02月05日

第71話「ナゾの書類捺印」

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H県M市で暮らす、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)のダブルボケボケコンビの日常は、不安定ながらもなんとかギリギリ低空飛行の日々が続いている。
離れて暮らす遠距離介護者のボクとしては、次の遠距離介護ツアーに備えて英気を養いつつ、実家に行ったときのToDoリストを作っている今日この頃である。
言ってみれば、今は第三次遠距離介護ツアーと第四次遠距離介護ツアーの間で、氷河時代でいうと間氷期のようなものだ。
そんなある日のお昼、介護事業所のスタッフからボクに電話連絡があった。
それは、午前中に服薬確認のために訪問したら、母チコちゃん(86歳)が書類捺印のため印鑑を探していた、というものだ。
もしや、怪しいセールスにひっかかかって、高額の契約を結ぼうとしているのかも知れない。
すぐに実家に電話をしてみたら、なんとか印鑑は探す出す事ができて、無事に捺印したと母チコちゃん(86歳)は得意そうに言うのだった。
何の書類に捺印したのかときいたら、「さぁ何じゃったか…」と予想通りの展開だった。
いろいろと質問して聞き出した所、どうも某金融機関がらみのようである。
これ以上、母チコちゃん(86歳)と話しても埒はあかないので電話を切り、どう対処するか考える。
まずはその金融機関に電話してみるが、スタッフが実家を訪問して書類に捺印を求めた形跡はないという。
う〜ん、さらに考えを巡らせる。
そういえばこの金融機関の口座から、毎年この時期に引き落としがあったのを思い出した。そのことを電話に出た金融機関のスタッフに言ったら、該当する引き落とし先の電話番号を教えてくれた。意外とすんなり教えてくれたが、口座名義人の家族と名乗る者(ボクのことね)からの電話での問い合わせに、こんなに簡単に個人情報を開示していいものだろうかと思いつつも、対応にお礼を言って引き落とし先と思われる所に電話してみた。
その結果、あっさりとこの事件は解決した。経緯は以下の通りである。
引き落とし先は火災保険関連だった。
まず午前9時頃、保険会社のスタッフが火災保険更新の書類を持ってやって来た。母チコちゃん(86歳)が応対したが印鑑が見当たらないので、スタッフは一旦帰った。
午前10時前、介護事業所のスタッフが訪れ、印鑑を探しまわる母チコちゃん(86歳)を確認。一緒にさがすものの見つからずその場を去る。
お昼前、再度保険会社のスタッフが訪問。その時は母チコちゃん(86歳)は印鑑を見つけていて、更新申請書類に捺印する。
お昼頃、介護事業所のスタッフがボクに電話で連絡。
てなわけで、一件落着。
次回、第四次遠距離介護ツアーでは、金融機関口座の引き落とし関連の確認をまずやらねばと、ToDoリストのトップに記すのだった。
第72話につづく
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