2018年03月26日

第78話「第四次遠距離介護ツアーに備えて」

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遠距離介護ツアーも第四次ともなると、だいぶ要領がわかってきた。
行くたびに持参する荷物は少なくなるよう工夫している。
これまでの三度に渡る遠距離介護ツアーで、少しずつ衣類を、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市の実家に置いて帰る作戦を実行中なのだ。
しかし、衣類の色には要注意である。
父ハム夫くんは、グレー系の衣類は自分のものだと認識しているようで、ボクのシャツやパンツ(下着の方ね)でグレー系のものは、洗濯した後は自分の衣類がはいったタンスの引き出しにしまいこんでしまうのだ。原色系やボーダー系は好みでないらしく、一緒に洗濯しても見向きもしないので安全パイである。
今回は寒い季節になってから初めての遠距離介護ツアーである。
これまで実家に置いていた衣類は薄物ばかりなので、今回はあらかじめ厚手のセーターやら上着を送っておくことにする。
衣類はこれでいいとして、食器も問題である。
食器棚二つ分の食器があるものの、チマチマした小皿ばかりで、使い難いったらありゃしない。
箸も、なぜかワリバシを食器乾燥機に入れて使っている。ちゃんとした箸がどこかにありそうな気がするが、いままでは発見出来なかった。
当然、フォークもナイフもスプーンもない。
フライパンやヤカンも焦げたあとがあるものばかりで、これもほとんど使い物にならない。
ついでに衣類と一緒に食器関連も送っておくかと押し入れをゴソゴソしていたら、キャンプ用品が出てきた。
これなら通常の食器よりはコンパクトだし機能的でもある。
ついでに寝袋も送っておけば、食べるのと眠るのは大丈夫だ。
遠距離介護ツアーは、一種のサバイバルツアーでもあるので、案外とキャンプ用品は似合っているかもしれない。
さっそくトランクに詰めてみる。
それほど大きいものではないので、さすがに寝袋は入らずあきらめた。両親の住む実家は、屋根はあるのだから、寝袋は大げさだったなと納得する。
そのかわり、まだ少しだけある隙間にレトルトやフリーズドライ食品をつっこんでおく。やっぱりキャンプの荷物みたいになってきた。
あとはトランクをボストンバッグカバーで梱包して郵送するだけなのだが、まだひとつ問題がある。
はたして両親が荷物をちゃんと受け取れるかという問題だ。
これまでも、税金の納付書や介護認定結果書類などが家の中で行方不明になり、大探しした前科があるからだ。
受け取ったトランクを、見慣れないものと認識して、ゴミにでも出されたらたまらない。なにしろ、銀行の預金通帳を生ゴミに出した前科もある、父ハム夫くん(92歳)であるから。
そこで一計を案じる。
実家の近所で暮らす親戚のS子さんの住所に送る作戦である。
これで、実家に到着したら着替えがないと言う最悪の状態にならなくてすむ。
かくして、まわりの人達のあたたかいサポートで、遠距離介護は行われるのであった。
第79話につづく
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2018年03月19日

第77話「配食サービス問い合わせ」

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第四次遠距離介護ツアー前の準備が続くある日のこと。
父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市のホームページをチェックしていたら、高齢者福祉係の記載で「食の自立支援サービス」という記載があった。
どうやら配食サービスに関するもののようだ。
配食サービスというのは、調理困難高齢者の家まで食事を持ってきてくれるサービスだと思うのだが、実態はどうなのだろうか。そこが知りたい。
現状、母チコちゃん(86歳)は毎日スーパーに買い物に行って料理らしきものを作って、父ハム夫くん(92歳)と一緒に食べているが、これまでのボクの遠距離介護ツアーで短期同居した経験では、とても食べられたものではなかった。
買い物は無計画に適当にカゴに放り込むだけで、その大半は食べられる事なく冷蔵庫の中で化石になるかゴミになるかしかない。そもそも冷蔵庫の中はとっくに消費期限を過ぎた食品であふれている。調味料もいつから使っているかわからないものだらけである。当然味付けもひどいものである。よくこんなものが食べられるものだと思うが、父ハム夫くん(92歳)も母チコちゃん(86歳)も平気で食べているから、味覚もおかしくなっているのかも知れない。
ボクも、実家からクルマで1時間の所に住んでいる妹U子も、実家で母チコちゃんが作る料理はできるだけ食べないようにしている。それでもウッカリ食べてしまい体調を崩す事もある。しかし父も母もケロッとしている。免疫ができているのか、二人とも元々丈夫なのか謎である。
そんな料理もいずれは作れなくなる日がくるだろう。
それに備えて、配食サービスというものを導入したいと考えていたので、H県M市のホームページでこの記載を見つけた時は光明が見えた気がした。
しかし、お役所のウェブサイトにありがちだが、なんとも説明不足で具体的なことがさっぱりわからない。
こんな時は直接問い合わせするのが一番だが、なぜか介護関連の役所や事業所は電話かFAXというのが多いのだ。いまどきFAXなんか使ってる人がいるのかと思うが、まぁしかたない。ウチにはFAXはないので電話するかと思ったところ、めずらしくメールアドレスの記載があったので問い合わせメールを出してみた。
本来ならこのような問題はケアマネに相談すべきなのだろうが、今はそれは避けたいのだ。
というのも、現在契約している介護事業所は、いきなり系列施設の仮申込書に記入させようとしたり、なんだか囲い込みが激しいのだ。配食までも契約してしまったらますますガンジガラメになりそうで気乗りがしないのである。それにケアマネに相談しようにも直接連絡先を教えてくれないので、介護所の代表番号らしきところに電話するしかないのだ。それすらも、こちらから要求してはじめて教えてくれた経緯がある。
そんなわけで、H県M市の高齢者福祉係にメールで問い合わせしたのだ。
はたして返答はくるのだろうか疑心暗鬼になる。
イメージとしては次のようなものだ。
高齢者福祉係内でメールチェックする人が誰もいなくて放置されるが、ある日暇をもてあました某職員が気付く。しかし、すぐに返答するのではなく、まずメール本文を職員の人数分プリントアウトする。数日後、それを見ながら会議が開かれ、返信の必要なしと判断され上司のハンコをもらって一件落着。
結局、返信はされないかもなァ…などと思っていたら数日後に返信が来た。
さっそく文面を読んでみる。
そこには、ウェブサイトの書かれていることしか記載されていなかった。いや、一文だけプラスされていた。
詳しくはケアマネに相談してください」と。
嗚呼!
メール1通で簡単に解決すると思ったワタクシがアホでした。
こうなったら、次回の遠距離介護ツアーでH県M市に行った際に、自分の足で調べるしかないと、かたく決意するのだった。
第78話につづく
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2018年03月12日

第76話「高額介護サービス費給付」

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母チコちゃん(86歳)の介護認定区分変更後、介護生活も新たな段階に入った。
その結果、要支援1から要介護2になったので、受けられるサービスも増えたが、負担金も増えた。
区分変更後、事業所からの請求書を確認したら、二人分で5万円以上になっているではないか。
施設入居に比べれば、それほどではないにしても、これから毎月この額が必要となると、負担感は大きい。
そんな時に、遠距離介護者がとる道は情報収集である。
さっそく、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市のホームページにアクセスしてみる。
例によって、利用者が本当にほしい情報はなかなか見つからず、あちこち探しまわって、高額介護サービス費給付制度というものがあるのを発見した。
同一世帯の課税所得やら年齢やらいろいろ条件があるが、どうやら世帯で44000円以上負担した場合、それを越えた金額が給付される制度らしい。
しかし、こんな場合ほっといても自動的に給付されることはまずない。
それではどうするのか?
申請するしかない。
つまり、そのためには面倒臭い申請書をださなければならないということだ。
その申請書を入手するためにはどこに行けばいいのか?
たぶん市役所の高齢者介護課みたいな所に出向く必要があるのだろう。
さっそく次回の第四次遠距離介護ツアーのToDoリストのトップにこの件を書き込む。
しかし申請しても実際に給付されるのは数ヶ月後なんだろうなァと考えていたら、実家からクルマで1時間のところに住んでいる妹のU子からLINEで連絡が来た。
郵便物の管理ができなくなっている両親宛の郵便物は、妹のU子のところに転送する手続きをしていたのだが、今回はそれが功を奏して、市役所からの高額介護サービス費給付のお知らせが転送されてきたのだ。
まだこちらから何のアクションもしていないのに、市役所から早くも通知が来るなんてああよかった〜、で終わるのはトーシロの遠距離介護者である。
この段階のままでは、いつまでたっても給付されないのがお役所仕事の法則である。
市役所からの郵便物の中にあった申請書をすぐに発送するように妹のU子に依頼する。この素早さこそがプロの遠距離介護者である。
これで高額介護サービス費給付に関してできることは一件落着。
あとは給付を待つばかりだが、たぶん忘れた頃に入金されるんだろうな〜と思いつつ、第四次遠距離介護ツアーのToDoリストをチェックする日々が続く。
第77話につづく
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2018年03月05日

第75話「地元銀行に口座開設」

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まもなく第四次遠距離介護ツアーが始まる。
目的地は、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)の二人が暮らすH県M市の実家だ。
M市は田舎町なれど、ファミレスやコンビニもあるし、長期滞在してもそんなに問題はないのだが、日頃は現金をあまり持ち歩いていないので、クレジットカードとPASMOが使えるお店が少ないのがちょっと不便なのだ。
そのようなこれまでの遠距離介護ツアーでの経験を踏まえて、第四次遠距離介護ツアーに出る前にH県でいちばんポピュラーな銀行の口座を作る事にした。あらかじめ入金しておいて財布替わりに使おうというプランだ。
その銀行の東京支店が京橋にあるので出かけてみた。
iPhoneの地図アプリは、目的地に近付くとわかりにくくなるが、今回も例外ではなく迷ってしまった。その原因は、てっきり裏通りの雑居ビルの片隅にあると思っていたのに、表通りに面した立派なビルにその銀行の東京支店が入っていたからだ。何度もビルの前を通ったのに、気付かずに通り過ぎてしまっていた。
1階のエントランスからエレベーターで上がったら、ビルのワンフロアを占有している。思ったより大きな銀行なのかもしれない。
しかしエレベーターホールには人影がない。
1台あるATMには誰かいるようだ。
その横にドアがあったので入ってみたら、いわゆる銀行のカウンターではなく、ソファーが置いてある。日本の地銀のロビーと言うよりも、外資系銀行のフロアのようだ。
そうこうしていると、オフィスの奥からスタッフが一人でてきた。
H県を頻繁に行き来するので口座を開きたいと申し出たら、「ここは個人が貯金するところじゃない!」と門前払いの気配。
そういえばフロアに、資産運用事業部といったようなプレートが貼ってあったような気がする。
ここはこのまま引き下がって、第四次遠距離介護ツアーでH県に行ってから現地で口座を開設しようかとも思ったが、この銀行のウェブサイトに『住居地とちがう都道府県での口座開設はお断りする場合があります』と記してあったのを思い出した。おそらく口座を金融犯罪に利用される可能性があるからだろう。このままでは、H県に行って口座を開設しようとしても断られそうだ。ここはなんとしても東京支店で口座を開かねばならぬとあらためて決心をする。
それで、スタッフにこちらの事情を話して、きょう口座開設をしたいと言ったら「開設はできますがお時間がかかりますよ」と冷たいお返事。
うたれ弱い性格だから、この一言でもうすっかりやる気をなくしてしまい、下りのエレベーターに乗り込むのだった。
せっかく慣れないネクタイを締めてKAIGOにひっかけた暗証番号までいろいろ考えていたのに、時間とエネルギーの浪費だった。
京橋の駅に向かう道すがら、もしもなにかのはずみで夢の印税生活になったら、その時はこの銀行で絶対に資産運用はしないぞと寒空に誓うのだった。
第76話につづく
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