2018年05月07日

第84話「介護界の人々」

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相変わらず遠距離介護の初心者として、本を読んだり、ネットをチェックしたり、人に聞いたり、情報収集の毎日である。
介護関連の情報は世の中にあふれているが、ボーッとしていては向こうからは何もやってこない。自分で行動を起こさないかぎり進展はないのだ。
最近、耳にして気になっているのが「かかりつけ薬剤師」である。
「かかりつけ医」というのは聞いたことがあるが、「かかりつけ薬剤師」というのは今まで知らなかった。
薬剤師のことは薬剤師にきけと、周りをキョロキョロするが、道行く人のどの人が薬剤師かわからない。
ふと見ると「ココナツ薬局」の看板があった。
おお、ここは第三次遠距離介護ツアーでBROMPTONを貸してくれたココナツ君の実家ではないか。
さっそく中に入る。
ココナツ君は、道楽のようなカフェを隣の市で営んでいるのでこの時間は不在だ。そもそも薬剤師でもないので、今ここにあるボクの疑問には答えられない。
ココナツ君の妹さんが、薬剤師としてこの薬局を経営しているのだ。
何十年ぶりかの対面なのに、挨拶もそこそこに「かかりつけ薬剤師」とは何かと質問を繰り出したのだった。
イメージとしては薬の管理全般をやってくれて、父ハム夫くん(92歳)や母チコちゃん(86歳)のように、薬を飲んだのかどうかも自分でよく判断できないような場合でも、毎日家を訪問して服薬確認をしてくれるというものだった。
しかし、現役の薬剤師であるココナツ妹君が言うには、薬に関することを把握して管理はするが、毎日家に届けて確認することはしないとのことだった。それに、ココナツ薬局は「かかりつけ薬剤師」としては営業はしていないということだった。
それじゃあ、ということで、質問の路線を変更して、父母が住むH県M市の介護事業者の評判をきくことにする。
まずは、今利用している小規模多機能型居宅介護事業所についてきいてみた。
「そこのスタッフさんの悪い評判はききませんが、経営者の評判はあまりよくないですよ」
とのお答えだった。経営者がどう評判が悪いのかききたかったが、なんとなく怖いのでそれ以上は訊かない。
次に、そのうちショートステイでも利用しようと考えているサービス付き高齢者向け住宅についてきいてみた。
返ってきたのは「あそこは高い…」というものだった。そうか高いのか…と妙に納得。
更に、ここに来る前に見かけた、個人病院が併設している居宅介護支援事業所について質問した。
なんとも言えません」との答えがかえってきた。そうか、なんとも言えないのか。
その後も何カ所かの情報を仕入れたが、やはり話だけでは実態の把握にはほど遠いのだった。
ココナツ薬局を出て、帰路にある地域包括支援センターに向かう。
実は、今回の第四次遠距離介護ツアーでは、これまで父母の担当をしてくれた社会福祉士のTさんといまだに連絡がとれていないのだ。出発前にも何度か電話したのだが、スタッフの人はその都度「今日は休んでおります」というばかりなのだった。そんなことを思いつつ歩いていたら、見慣れない番号からiPhoneに着信があった。とりあえず出てみたら、なんと社会福祉士のTさんだった。
「もしもし、個人の番号から失礼します…」といってなんだか元気がない。そして衝撃の発言が!
「実はワタクシ昨日付けで解雇されました。もう業務ではないのですがご挨拶させていただきます…」とTさん。
電話を切ったあともボクの頭の中はクエッションマークだらけだ。
いったいどーゆーことなんだ?解雇だって?
そんなこんなで介護界もいろんなことがあって、あれやこれやいろんなことが起こるんじゃノ〜と、夕陽をあびながら実家を目指すのだった。
帰宅したら、まだ夕方なのに玄関が内側からチェーン錠がかけられていて中に入れない。ここんとこ施錠マニアと化している父ハム夫くん(92歳)の仕業だろう。むなしくチャイムをならし続ける遠距離介護者だった。
(第85話につづく)
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posted by ODA-SAN at 09:00| Comment(0) | 日記