2017年09月13日

第25話「補聴器よりもメガホン」

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父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らす家は、二人暮らしなのに賑やかだ。
二人の会話がはずんでいるという意味ではない。
実際はその逆で、二人の間ではうまく会話が成立していない。
原因は二人とも耳が遠いからである。
補聴器は使いたくないということで、父ハム夫くんも母チコちゃんも裸耳のままなのだ。
当然のことながら、テレビの音量は大きい。
外から電話した時など、テレビの音が大きすぎて話す声がききとれないくらいだ。
そんな二人に話しかけるには、大声を出すしかない。
しかしこれは話す方に負担がかかる。
実際、数日間に渡って大声で両親に話しかけたボクの声はガラガラになってしまった。
かといって筆談と言うのも、iPadで大きいフォントで試してみたが、書く方も読む方も妙に疲れる。
そんな時、ふと部屋の隅にある野球応援用のメガホンに目が入った。
父も母も地元のプロ野球チームのファンで、地元の球場に足を運ぶこともあるようで、スタンドで応援する姿の写真を、卓上に飾っている。
このメガホンで話しかけてみた。
おお、よく聴こえるようで、素早い反応がかえってくるではないか。これは使えるぞ。
母の買い物に同行する時も、首から例の介護マークをぶら下げて、手にはこのメガホンを持てば意思の疎通もスムースにできる。
ただし、あんまり介護をしているように見えないのが玉にキズであるが。
(第26話に続く)
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posted by ODA-SAN at 09:00| Comment(0) | 日記
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