
今回の第二次遠距離介護ツアーの掉尾を飾るのは、いよいよ始まる介護サービスだ。
具体的には、毎日の薬服用確認。
これは、薬を必ず飲むようにするという意味合いよりも、毎日誰かがやってくることで、最低限の安否確認になるということを重視して選択したサービスである。
さてサービス開始日の朝。
父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)がどんな反応をするか観察したいので、事業所のスタッフが来る前に玄関先に出て待機する。
事業所のクルマがどちらの方向から来るのかキョロキョロ見回していたら、どこからか誰かの呼ぶ声がする。
声は我が家の玄関の対面からきこえてくる。
そう、第28話で出てきたお向かいの美容院のマスターM氏である。「コーヒーでも飲むかい」とのお言葉をかけていただいたのだ。
開店前のコーヒータイムに、ボクが玄関先でウロウロしているのを見かけてのことだった。手にはボクの分のコーヒーカップも持たれている。
ウム、ご近所見守りシステムは順調に作動しておるわい。
そうこうしているうちに事業所スタッフが到着したので、コーヒーは丁重にお断りして家の中に入る。
肝心の介護サービスに関しては、驚くほど父も母も受け入れてくれたので拍子抜けした。家の中に他人が入ってきてあれこれするのをいやがる被介護者も多いのだそうだが。
母チコちゃんは、若い事業所スタッフのことを市役所のボランティアだと思っているようだ。父ハム夫くんは何も言わないが、若い女性スタッフの指示に従い薬を飲んでいる。
あとで母が言うには「オネーサンのいうことはよくきく」とのことだった。これって、もしかしたらジェラシーなのか?
まぁそういう感情があるくらい元気でよかったと思っておこう。
(第33話に続く)
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