2017年10月20日

第40話「金銭管理大混乱」

040.jpg

二人でなんとか毎日を過ごしている父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)だが、いかんせん金銭管理ができない。
一時はゴミに出してしまった通帳を回収して、印鑑も照合し、キャッシュカードも再発行したが、この状態では二人にまかせられない。
父ハム夫くんに「金銭管理は代行するよ」と言って、なんとなくうなずいたので承諾したものとして、印鑑や通帳などは貸金庫に保管しているのが現状だ。
介護関連経費はその都度引き出し、後で参照した時にわかりやすいように、使用項目を鉛筆で通帳に記している。
生計費は一ヶ月毎に、母チコちゃんにまとめて渡すことにした。
金銭管理はこれでひと安心と思ったある日の早朝、母から電話があった。
ポケットに五千円しかないからお金を送れと言っている。
先日の第二次遠距離介護ツアーから帰京する時に生計費を渡しておいたので、まだ手元には現金があるはずなのにと考えていると、電話の向こうで近所に住んでいつもお世話になっている親戚のS子さんの声がする。
電話を変わってもらうと、なんでも二人で墓参りに行った帰りに、クルマの中で急に母チコちゃんが、お金がないと言い出し、75歳の飛ばし屋S子さんがアクセル全開で帰宅してきたところなのだそうだ。電話の向こうでは母のオロオロする声が聞こえる。
たしか母はショルダーバッグのポケットを財布がわりに使っていたので、そのことをS子さんに話して調べてもらったら、ボクが渡した封筒が手つかずのままあった。母が自分でしまったのを忘れていたのだ。
一件落着。
と思ったら、午後にまた母から電話。
今度は変な請求書がきたというのだ。時間をかけてききだすと、それは介護サービス事業所からのものだった。捨てられては困るので、とりあえず保管するように言って電話を切る。
すぐに事業所に連絡をして確認したら、毎月、サービス明細と金額を記した書類に認め印が必要ということだった。介護サービス契約者の父ハム夫くんと母チコちゃんが対処すればいいのだが、二人は金銭管理ができなくなっている。それだけでなく二人は介護保険を利用してサービスを受けている自覚がなく、事業所スタッフをボランティアの若者と思っているのだから、請求書の確認なんか論外なのだ。
事業所と相談して、今後は実家からクルマで約1時間の所に住む妹U子が処理することにきめた。さて、残る問題は母の手元にある今月分の請求書だ。
これも事業所と相談の結果、記載に不備があったので回収するということにした。
こうして無事に請求書も回収され、母もこの件は忘れてメデタシメデタシのはずだったのだが、その後も母から電話がかかってくる。
「あの請求書はどうなった?」と。
忘れてはいけないことはすぐ忘れるのに、忘れてほしいことはなかなか忘れない母チコちゃんだった。
第41話につづく
(C)2017 ODAMANGA.com All Rights Reserved.
posted by ODA-SAN at 09:00| Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]