2018年03月05日

第75話「地元銀行に口座開設」

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まもなく第四次遠距離介護ツアーが始まる。
目的地は、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)の二人が暮らすH県M市の実家だ。
M市は田舎町なれど、ファミレスやコンビニもあるし、長期滞在してもそんなに問題はないのだが、日頃は現金をあまり持ち歩いていないので、クレジットカードとPASMOが使えるお店が少ないのがちょっと不便なのだ。
そのようなこれまでの遠距離介護ツアーでの経験を踏まえて、第四次遠距離介護ツアーに出る前にH県でいちばんポピュラーな銀行の口座を作る事にした。あらかじめ入金しておいて財布替わりに使おうというプランだ。
その銀行の東京支店が京橋にあるので出かけてみた。
iPhoneの地図アプリは、目的地に近付くとわかりにくくなるが、今回も例外ではなく迷ってしまった。その原因は、てっきり裏通りの雑居ビルの片隅にあると思っていたのに、表通りに面した立派なビルにその銀行の東京支店が入っていたからだ。何度もビルの前を通ったのに、気付かずに通り過ぎてしまっていた。
1階のエントランスからエレベーターで上がったら、ビルのワンフロアを占有している。思ったより大きな銀行なのかもしれない。
しかしエレベーターホールには人影がない。
1台あるATMには誰かいるようだ。
その横にドアがあったので入ってみたら、いわゆる銀行のカウンターではなく、ソファーが置いてある。日本の地銀のロビーと言うよりも、外資系銀行のフロアのようだ。
そうこうしていると、オフィスの奥からスタッフが一人でてきた。
H県を頻繁に行き来するので口座を開きたいと申し出たら、「ここは個人が貯金するところじゃない!」と門前払いの気配。
そういえばフロアに、資産運用事業部といったようなプレートが貼ってあったような気がする。
ここはこのまま引き下がって、第四次遠距離介護ツアーでH県に行ってから現地で口座を開設しようかとも思ったが、この銀行のウェブサイトに『住居地とちがう都道府県での口座開設はお断りする場合があります』と記してあったのを思い出した。おそらく口座を金融犯罪に利用される可能性があるからだろう。このままでは、H県に行って口座を開設しようとしても断られそうだ。ここはなんとしても東京支店で口座を開かねばならぬとあらためて決心をする。
それで、スタッフにこちらの事情を話して、きょう口座開設をしたいと言ったら「開設はできますがお時間がかかりますよ」と冷たいお返事。
うたれ弱い性格だから、この一言でもうすっかりやる気をなくしてしまい、下りのエレベーターに乗り込むのだった。
せっかく慣れないネクタイを締めてKAIGOにひっかけた暗証番号までいろいろ考えていたのに、時間とエネルギーの浪費だった。
京橋の駅に向かう道すがら、もしもなにかのはずみで夢の印税生活になったら、その時はこの銀行で絶対に資産運用はしないぞと寒空に誓うのだった。
第76話につづく
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posted by ODA-SAN at 09:00| Comment(0) | 日記
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