2018年09月03日

第101話「2003年のゴミ出し」

101.jpg

毎回のように予想外の展開になる遠距離介護ツアーだが、今回ほどの想定外は初めてだった。
まさか、父ハム夫くんが93回目の誕生日を二日後に控えた朝に逝ってしまうなんて思いもよらなかった。
そんなわけで、これから独身生活をおくる母チコちゃん(86歳)を一人にして帰京するのは、後ろ髪を引かれる思いだが、いつまでもここH県M市に滞在するわけにもいかない。
いくら売れてないマンガ家でも、少しは原稿を描かねばならぬ。
とは言え、M市を離れる前にできることはやっておくのが、遠距離介護者の仕事だ。
まずは、たまったゴミを出しておくこと。
壁に貼ってあるM市のゴミ出し分別マニュアルで確認する。
これがまた細かく分類されていて、壁の図表を見てもよくわからない。
母チコちゃんにきいたら「まちがったゴミを出したら収集車はゴミ袋を置いて帰ってしまうが、そのうち持っていくよ〜」との大胆な発言。
分類も複雑だが、指定ゴミ袋も多種多様で、指定袋番号と袋の色で、これまた細かくわかれている。
なんとか指定のゴミ袋に分別したゴミを詰め込んで、ゴミ集積所に足を運ぶ。
集積ボックスの前に立つと、何か違和感がある。
ボクの持っているゴミ袋の色は赤色だが、集積ボックスの中のゴミ袋は全て水色だ。
これは何かがおかしいと感じ、もしかしたらゴミ出し表を見間違えたのかと、家までゴミ袋を持って戻る。
壁の表を見たが、確かにきょうは赤いゴミ袋の日だ。さらに表を凝視したら、右下の小さな数字が目に入った。
そこには、2003年版M市ゴミ分別表と記してあるではないか!
あわててiPhoneを取り出し、M市のウェブサイトのゴミ関連ページでゴミ分別表pdfをを表示してみたところ、なんと!壁の表と最新版の表の内容は、ほぼ同じではあるが、曜日や分別がビミョーに違っているではないか。
そういえば以前、介護所スタッフから、お母様がご近所とゴミの事でトラブルがあったみたいですときいたことがあった。2003年版のゴミ分別表を見てゴミ出ししたら、そりゃ問題ですがな。
母チコちゃん(86歳)の生活は、数十年前の段階でストップしていて、愛用する冷蔵庫の中には、前世紀の食品が入っていたこともあるから、それに比べれば新しいが、それでも2003年版である。
15年前の事など、母チコちゃん(86歳)にとっては、つい先日の事なのかもしれない。
このままにしておくわけにもいかないので、市役所に行って2018年版ゴミ出しマニュアル表をもらい壁に貼り、実家をあとにしたのだった。
新しい物事が覚えられない母チコちゃん(86歳)は、目の前に何か目新しいものがあると隠してしまう傾向がある。はたして、次回の第6次遠距離介護ツアーで実家にくるまでの間に、この新しい表がこのままあるのか。
第102話につづく
(C)2018 ODAMANGA.com All Rights Reserved.
posted by ODA-SAN at 09:00| Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]