2018年10月22日

第108話「チコちゃんメモ魔大変身」

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今回の遠距離介護ツアーは、思いもよらぬ豪雨災害に遭遇し、外に出ることもままならなかったので、家の中で、母チコちゃん(86歳)と二人きりで過ごす時間が多かった。
とは言っても、以前は5分ごとに話がループしていたのが、最近は3分ごとに話がループしはじめる母チコちゃんが相手だから、まともな話はできない。
いきおい、あれこれと注意することが多くなる。

●買い物に行く前に買い物メモを作っていけばムダな買い物が減るよ
●冷蔵庫の中に消費機嫌切れの食品があるよ
●ゴミ出しの前日に用意しておけば当日あわてることもないよ
●こげついたナベは捨てた方がいいよ
●お菓子ばかり食べてないでもっと野菜を食べた方がいいよ
●介護事業所をもっと利用した方がいいよ
●いつも使うカバンは同じ場所に置いておいた方がいいよ、等々。

これらをきいた後、だんだん母チコちゃん(86歳)は不機嫌になり「いつからおまえはそんなにおもいやりのない子になったんか?」とか「昔は優しいコじゃったのに…」などと言い始める。
面と向かってそれをきかされるムスコの身は、ちょっとつらいものがある。
まぁそれも3分後には忘れてしまい、本人はケロッとしているのが、ある意味救いではあるが。
しかし、そんな母チコちゃん(86歳)も、自分自身の物忘れ自覚はある。
ふと気付くと、居間のテーブルの上、冷蔵庫の扉、ベッドの横の棚、愛用のカバンの中、衣服のポケットの中などに、覚えておきたい内容を書いたメモ用紙が入っているのだ。
それらのメモには「このトシになってムスコに小言を言われるのが悲しい」とか「これも私の運命なのか」とか「こんなことなら、もういつ死んでもいい」等と記してある。
なにやら、悲劇のヒロインの気分になっているようだ。
これらのメモを見ながら、自分の失われている記憶を補完しようとしているのだろう。それは、それでいいのだが、メモを読んでまたムスコに対する感情を高ぶらせても困るので、発見したメモはすぐ処分することにしている。
しばらくすると、またしてもテーブルの上にメモ。
いただいた香典を子供が全部持って帰ったのでお返しができない」とある。
真実は、母チコちゃんがどこかにしまってしまい行方不明になっているのだが、いつのまにかボクと妹U子が持ち帰ったことになっている。あれこれ説明してもラチがあかないので、すぐにメモ用紙をまるめてポケットにつっこむ。ゴミ箱に捨てると、中をあさる可能性もあるので、帰京する時に持ち帰ることにする。
こうして遠距離介護ツアーを終え、H県M市をあとにするとき、メモ用紙を入れた紙袋の荷物がひとつ増えるのだった。
実際問題、荷物の重さ以上に精神的にちょっと疲れる。
少し休みたい…。
(つづく)
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posted by ODA-SAN at 09:00| Comment(0) | 日記
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