2018年12月03日

喪中のご挨拶

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喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます。
既報の通り、わが父ハム夫くんは92歳で永眠いたしました。
『KAIGO日和』ではハム夫くんはハゲ頭でしたが、今回はじめてリアルのハム夫くんの画像を公開します。
てなわけで明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます。
2018年12月
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2018年11月01日

【お知らせ】東京スポーツ『おやおやボケトルズ』連載に関して

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突然ですが、今月からしばらくの間、『KAIGO日和』の更新を休止します。
実は、先月から東京スポーツ(毎週月曜発売号)で、当ブログを下敷きにして、さらにパワーアップした内容の『おやおやボケトルズ』という4コマ漫画&短文の新連載が始まり、毎週両方を続けていくのはちょっとしんどいかなというのが、お休みさせていただく理由です。
東京スポーツだけでなく、大阪スポーツ九州スポーツにも掲載されているので、西日本方面の方はそちらでご覧ください。
『おやおやボケトルズ』は『KAIGO日和』と同じく、遠距離介護をテーマにしたあれやこれやです。
両者の違いは、『おやおやボケトルズ』に関しては、遠距離介護ツアーの交通費が取材費として必要経費になることかもしれません(笑)。
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2018年10月22日

第108話「チコちゃんメモ魔大変身」

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今回の遠距離介護ツアーは、思いもよらぬ豪雨災害に遭遇し、外に出ることもままならなかったので、家の中で、母チコちゃん(86歳)と二人きりで過ごす時間が多かった。
とは言っても、以前は5分ごとに話がループしていたのが、最近は3分ごとに話がループしはじめる母チコちゃんが相手だから、まともな話はできない。
いきおい、あれこれと注意することが多くなる。

●買い物に行く前に買い物メモを作っていけばムダな買い物が減るよ
●冷蔵庫の中に消費機嫌切れの食品があるよ
●ゴミ出しの前日に用意しておけば当日あわてることもないよ
●こげついたナベは捨てた方がいいよ
●お菓子ばかり食べてないでもっと野菜を食べた方がいいよ
●介護事業所をもっと利用した方がいいよ
●いつも使うカバンは同じ場所に置いておいた方がいいよ、等々。

これらをきいた後、だんだん母チコちゃん(86歳)は不機嫌になり「いつからおまえはそんなにおもいやりのない子になったんか?」とか「昔は優しいコじゃったのに…」などと言い始める。
面と向かってそれをきかされるムスコの身は、ちょっとつらいものがある。
まぁそれも3分後には忘れてしまい、本人はケロッとしているのが、ある意味救いではあるが。
しかし、そんな母チコちゃん(86歳)も、自分自身の物忘れ自覚はある。
ふと気付くと、居間のテーブルの上、冷蔵庫の扉、ベッドの横の棚、愛用のカバンの中、衣服のポケットの中などに、覚えておきたい内容を書いたメモ用紙が入っているのだ。
それらのメモには「このトシになってムスコに小言を言われるのが悲しい」とか「これも私の運命なのか」とか「こんなことなら、もういつ死んでもいい」等と記してある。
なにやら、悲劇のヒロインの気分になっているようだ。
これらのメモを見ながら、自分の失われている記憶を補完しようとしているのだろう。それは、それでいいのだが、メモを読んでまたムスコに対する感情を高ぶらせても困るので、発見したメモはすぐ処分することにしている。
しばらくすると、またしてもテーブルの上にメモ。
いただいた香典を子供が全部持って帰ったのでお返しができない」とある。
真実は、母チコちゃんがどこかにしまってしまい行方不明になっているのだが、いつのまにかボクと妹U子が持ち帰ったことになっている。あれこれ説明してもラチがあかないので、すぐにメモ用紙をまるめてポケットにつっこむ。ゴミ箱に捨てると、中をあさる可能性もあるので、帰京する時に持ち帰ることにする。
こうして遠距離介護ツアーを終え、H県M市をあとにするとき、メモ用紙を入れた紙袋の荷物がひとつ増えるのだった。
実際問題、荷物の重さ以上に精神的にちょっと疲れる。
少し休みたい…。
(つづく)
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2018年10月15日

第107話「初めての避難指示」

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毎度の遠距離介護ツアーで、母チコちゃん(86歳)が一人で暮らすH県M市に来ている。
最近はH県M市を訪れるのがだんだん頻繁になり、同じ月に二度も来たりしている。
いったい今回が第何次遠距離介護ツアーになるのかもはや定かではない。
そんでもって、毎度お馴染みの想定外の出来事との遭遇である。
今までのいちばんの想定外は、父ハム夫くん(享年94歳)をミズムシ治療のため皮膚科に連れて行こうとしていた日の朝、急変して帰らぬ人となってしまったことだ。
今回の想定外の出来事も、それに匹敵するくらいのものであった。
それは、遠距離介護で滞在中のH県M市で豪雨災害による避難指示発令が出たことだ。
M市に来てからずっと連日の雨の日が続いていた。
そんな雨天でも、母チコちゃん(86歳)は歩いて数分のスーパーに毎日出かけていく。しかし、昨日は「経験した事のない大雨が降る」という天気予報だったので、介護事業所のクルマで送迎してもらった。
母チコちゃん(86歳)は、それが気に入らなかったようで、本日も「経験した事のない大雨が降る」というのに、この土砂降りの中を、なんといつもより早い時刻に買い物に行って、介護事業所のクルマが来る頃には、すでに買い物から帰宅していたのだった。
まだまだ自分は大丈夫なんじゃ!というアピールなんだろう。
この数日、朝から晩まで土砂降りだが、母チコちゃん(86歳)は耳が遠いので雨音がきこえないようだ。そのせいか連日の気象警報も全然気にしていない。
そんな中、突然の停電
まだ夕方で外も明るく、家の中も真っ暗にはならなかったが、一瞬ビビってしまった。あわてて、家中の懐中電灯をチェックすると、何個かあるもののどれも点灯しない。電池がなかったり、あっても液漏れしたりと使い物にならない。いくつかは電池は入っているものの、二本入りなら一本、四本入りなら三本しか電池が入っていないものがある。
母チコちゃん(86歳)にきいたら、「もったいないから外したんじゃ」とのことだった。
あわてて、お向かいの電気屋さんに乾電池を買いに行き、とりあえず補充しておいた。
1時間後、停電状態は終了した。
防災放送が、水道が出にくくなっているとアナウンスしている。
水の備蓄はあるのかと母チコちゃん(86歳)にきいたら、「そんなもんはない!」と言い切るのであわてて台所にあるヤカンやらナベに水を備蓄する。
こんなときのためにミネラルウォーターを買い置きしておいた方がいいよとすすめたら、「そんな何年も保存出来るような生水はいらん!」とこれまた高らかに拒否宣言。
そうこうしているうちにM市全域に避難勧告が発令された。避難所のアナウンスもされはじめた。それによると実家から徒歩15分程度のコミュニティセンターが避難所らしい。それをきいた母チコちゃん(86歳)は「そんな遠い所には行かん!このへんの避難所はウチの裏の中央病院じゃ!」と言い張るのだった。しかしその中央病院は30年以上前に移転して今は図書館になっているのだ。
グダグダ避難所のことで口論しても仕方ないので、電気も通じて水も出るうちに入浴することにした。風呂場の窓ガラス越しにも雨音が強くなっているのがわかる。
数分後、サッパリして風呂から出たら玄関で物音がする。何かモノでも飛んできたかと思ったら、ずぶぬれの母チコちゃん(86歳)が外から帰ってきたところだった、なんと元中央病院で現図書館に避難出来るか行ってみたとのことだった。その結果は、誰も避難していなかったということだった。避難所ではないのだから、誰も避難していないのは当たり前である。
数時間後、更に雨は強くなり、ついに避難勧告よりも深刻な非難指示が発令された。避難勧告が避難指示になると避難所も増え、前述の元中央病院で現図書館もそのひとつになった。ほらみろ、と自慢げな顔の母チコちゃん(86歳)だった。
不安な一夜が過ぎる。
結局、実際の避難はすることなく、翌日午後には非難指示も解除されたのだが、ほんと、父ハム夫くん(享年94歳)の急逝に匹敵するくらいの想定外の一夜であった。
母チコちゃん(86歳)一人の時に、このような状態になっていたらと想像すると、おそろしくなるが、案外平気で過ごすのかもしれない。一晩中ラジオとネットで情報を収集しつつほとんど眠れなかた息子とちがって、母はいつも通り高いびきで熟睡していたのだから。
時間と空間がうまく認識できなくなっている母チコちゃん(86歳)だが、それが功を奏して、どんな場面でも平常心でのぞめるのかも知れない。
それはそれでいいのではと思える、雨上がりの朝だった。
第108話につづく
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2018年10月08日

第106話「初めての公証役場」

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相続関連あれやこれや作業で、いろいろ調べていると「遺言」の二文字がよく出てくる。
父ハム夫くん(享年94歳)の場合、そんなものはなかった…いや、たぶんないと思う。
家中探しまわって遺言が出てこない場合でも、公正証書遺言というものがあるという情報に接した。
なんでも、公証役場というところに行けば、遺言の有無がわかるという。
コーショーヤクバ、その文字はどこかで見た事があるような気がするが、どこでみたかはわからない。
どうやら全国各地にあるようで、どこの公証役場でも、公正証書遺言の有無が確かめられるというので、さっそく最寄りの公証役場に行ってみた。
信用金庫の入っているビルの上階にそれはあった。
さっそく窓口に行き、あらかじめ用意していた戸籍謄本などの書類を提示して、父ハム夫くん(享年94歳)の遺言を検索システム照会申請する。
時間がかかるので、しばらくソファーに座って待つ事になる。
今まで、市役所やら法務局やら、いろんな窓口に出向いたが、ここ公証役場では、驚くべき対応があった。
なんと、スタッフさんがトレイにお茶を入れた容器をのせて運んできたのだ。ついでに飴もすすめられる。こんなサービスは初めてである。
金融機関のロビーで待つときも、信用金庫だと時々こういう対応があるが、お役所(なのか?)では初めてだ。このビルの階下が信用金庫だから、同様のサービスがあるのだろうか、よくわからないが、丁度のどが乾いていたのでありがたくいただく。
そうこうしているうちに、名前を呼ばれたのでカウンターに行く。
遺言結果システム照会結果通知書というA4サイズのペーパーを手渡される。
そこには、「見当たりませんでした」と記されていた。
前回の法務局での登記物件が「見当たりません」になったのに続いてまたしても、見当たりませんという結果である。
遺言はないだろうと思っていたので、この結果は予想通りであった。
また収入印紙を購入して何か手続きするのかと思ったら、その必要はないと言う事だった。
つまり、何も料金はかからないということだ。
そのうえお茶まで出してもらってちょっと申し訳ないなと思いつつ、もう生涯で二度と来ないであろう公証役場を後にしたのだった。
第107話につづく
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