2017年10月12日

第36話「ジパング倶楽部会員証がやって来たヤァ!ヤァ!ヤァ!」

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遠距離介護のネックは交通費である。
父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が住むH県M市に行くにはJRを利用する。
往復割引を利用すれば運賃は安くなるが、新幹線の特急券は安くはならない。
そこで調べてみた結果、ジパング倶楽部というものに行き当たった。
年会費は必要だが運賃だけでなく特急券も割引になるのだ。
さっそくウェブにアクセスして申し込もうと思ったら、なんと受け付けは郵送のみとな!
せっかくサイトがあるんだから、そこで申し込めれば楽なのにどういうことなんだ?
入会申し込み用ファイルもダウンロードできず、電話でしか請求できないのだった。
年輩者相手のサービスだからアナログなシステムなのだろうか。それともジパング倶楽部事務局はお年寄りばかりの部署で、自分たちがデジタル対応できないからこうなのか。
しかたないので、まずは申し込み書請求の電話をする。
電話に出たのはオジーサンではなくオネーサンだったが、送付先を告げ電話を切る。あとは申込書が郵送されるのを待つだけ。
それが…なかなかこない。
忘れた頃にやっと届いた。
もうどーでもいーやと思いつつ封を切る。
申し込む前に同梱の振り込み用紙で会費を入金するのか。
次に申込書に必要事項を記入する。年齢確認用の保険証のコピーも必要なのか。会員証用の顔写真をペラペラの台紙に貼付ける。写真の裏に名前も書けとある。なんだかなつかしい作業が続く。これらと年会費の振替払込受付証明書を同封して、自分で封筒を用意して切手を貼り事務局宛に返送する。
面倒臭いが、乗りかかった船だ。ポストに投函して、あとは会員証が届くのを待つだけ。
しかし、なかなか届かない。
またまた忘れた頃にやっと来た封書をあけてビックリ!
ちょっと人には見せたくないレベルのダサい会員証と、会員手帳なるものが出てきたのだ。しかも旅行中はこの会員証と手帳を常時携帯して提示しなければならないのだそうだ。使用ガイドによると、購入証に記入後、窓口に提出してキップを購入するようだ。なんだか、JR以前の国鉄時代のテイストが感じられる「ジパング倶楽部」なのでした。
使い勝手がどんなものか、次の第三次遠距離介護ツアーで試してみよう。
(つづく)
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2017年10月10日

第35話「キーパーソン指令」

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両親の遠距離介護ツアーでH県M市に滞在中に、介護にはキーパーソンが必要ですと、地域包括支援センターのT氏に言われる。
父母の介護にはいろんな人が関係している。
医者、市役所、民生委員、地域包括支援センター、介護事業所、ケアマネ等。それらの連絡を受け、差配をするのがキーパーソンなのだ。
自由業で時間の融通のきくボクがやるしかないではないか。
これが、いざやると、かなりの負担だった。
とにかくいろんな所から電話がかかる。それらの対処をまたいろんな所に電話する。
iPhoneユーザになってほとんど電話は使わなくなっていたので、連日の電話攻勢はある意味新鮮である。実はこのiPhone、格安SIMフリー契約で通話割引システムはない。こんなことなら大手キャリアのかけ放題契約のままにしておけばよかったと少し後悔するのだった。
ある日のキーパーソンの活動は、以下のような感じだ。
実家からクルマで1時間の所に住む妹U子が、母チコちゃんが家の中で保険証をなくしたらしいので探しにいくという。
そこでキーパーソンの仕事開始だ。
指令その1
「妹よ、実家に行く前に市役所に行き郵便物転送の手続きをせよ!」
父も母も郵便物の管理ができなくなったと先日市役所に相談したら、市からの発送分に関しては転送可能ということだった。妹の所に転送すれば問題解決だ。これを次回の遠距離介護ツアー時に処理しようと考えていたので、電話急げ、いや善は急げと妹に電話したのだ。
指令その2
「妹よ、保険証はタンスの横あたりを探せ!」
この指令は功を奏さず、実際は食器棚の中にあった。まだまだ父母の行動パターンが読み切れていないのだった。
そうこうするうちに、介護事業所から介護サービス契約書類に捺印忘れがあるとの連絡が入る。
指令その3
「妹よ、今日は冷蔵庫の整理はやめ、ただちに介護事業所に急行し、書類確認後捺印せよ!」
電話1本であちこち行かされる妹が不憫である。それでも文句ひとつ言わずに行動する妹に感謝したい。昔から実務がちゃんとできるタイプなのでまかせて安心である。
一方、実務をともなわない口だけの男である兄には、このキーパーソンという役目はピッタリなのだった。
(つづく)
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2017年10月06日

第34話「介護保険証がやって来た♪」

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疲れた
何がって?十数日に渡った第二次遠距離介護ツアーだ。
介護といっても、父ハム夫くん(92歳)も母チコちゃん(86歳)も、自分の身の回りのことは自分で出来るので、その点はとりたててすることはない。
しかし、一日中はてしなく続く母チコちゃんの同じ話の繰り返しと、さっき言ったことをもう忘れてしまう父ハム夫くんに、毎日ベターッと接していると、精神的にとても疲れる。
それに、テレビの大音量。
二人とも耳が遠いのでしかたないのだが、日頃テレビなしの生活をしているボクには辛い。
介護ツアーから帰ってからしばらくは、野外ライブで大音響に接した後みたいに難聴気味だった。
次の第三次遠距離介護ツアーには耳栓が必携だな、とiPhoneのメモに書き込む。
ふーっ
これだけダメージが残るのは、ボクもトシということなんだろう。
そんなある日、ボク宛の郵便物が来たよと、妻から封筒を手渡された。
ふむ、新しい保険証か。
いちおう確認のために封を切る。
中から出てきたのは、保険証は保険証でも、介護保険被保険者証だった!
なっ、なんと!遠距離介護で疲れているボクが、もう介護される側になっていたのだ。
介護保険証がやって来たヤァ!ヤァ!ヤァ!
(つづく)
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2017年10月04日

第33話「嘆きの父と母」

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長かった今回の第二次遠距離介護ツアーも今日が最終日。
昨日からスタートした介護サービスの二日目の様子を見届けてから、帰路につくことにする。
昨日と同じく事業所のスタッフがやってくる。
父ハム夫くん(92歳)も、母チコちゃん(86歳)も、介護保険利用でサービスを受けるということに関して全く理解していないので、また誰かがやってきたという印象しかないようだ。
父ハム夫くんは、ちょうど横になっていた。
急に起こすと機嫌が悪くなるのではと心配したが、看護師でもある事業所スタッフさんは、ゆっくりと呼びかけ、父が自分で起き上がるのを待っている。
歩くのは自力でなんとかなる父も、横になった状態から起き上がるのは少し時間がかかる。
スローモーションのように立ちながら父はつぶやく。
なさけないの〜
ホント、自分の状況がなさけないのだろう。
しかし周囲ができるのは見守るだけだ。
起き上がってからは介護サービス初日と同じく、ちゃんと薬を飲む父ハム夫くんだった。
これで薬管理の方はなんとかなる見通しがついたのでホッとする。
次は来週の通院同行サービスだが、さすがにそこまでは実家に滞在出来ない。
今回の第二次遠距離介護ツアー出発前に原稿の描きだめをしてきたが、それも底をついてしまっている。
薬服用確認後にスタッフも帰り、ボクもそろそろ出ようかと荷物の整理をしていたら、母チコちゃんが部屋中をウロウロししながらブツブツ言っている。
またなくなった、なさけない、なさけない
父についで母の口からも、嘆きの言葉が出てくるのだった。
何がなさけないのかきいてみたら、いつもモノがなくなってしまい、一日中探し物ばかりしているのがなさけないのだそうだ。
今さがしているのは通院時に必要な保険証。
このままにしておくわけにもいかないので一緒に探したら、いつも外出時に持って行くカバンの中に入っていた。
来週の通院時まで保険証の所在がどうなるか心配ではあるが、もう時間もないので駅に向かうボクだった。
実家に、嘆きの父母を残したまま…。
第34話に続く
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2017年10月02日

第32話「介護サービス開始」

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今回の第二次遠距離介護ツアーの掉尾を飾るのは、いよいよ始まる介護サービスだ。
具体的には、毎日の薬服用確認。
これは、薬を必ず飲むようにするという意味合いよりも、毎日誰かがやってくることで、最低限の安否確認になるということを重視して選択したサービスである。
さてサービス開始日の朝。
父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)がどんな反応をするか観察したいので、事業所のスタッフが来る前に玄関先に出て待機する。
事業所のクルマがどちらの方向から来るのかキョロキョロ見回していたら、どこからか誰かの呼ぶ声がする。
声は我が家の玄関の対面からきこえてくる。
そう、第28話で出てきたお向かいの美容院のマスターM氏である。「コーヒーでも飲むかい」とのお言葉をかけていただいたのだ。
開店前のコーヒータイムに、ボクが玄関先でウロウロしているのを見かけてのことだった。手にはボクの分のコーヒーカップも持たれている。
ウム、ご近所見守りシステムは順調に作動しておるわい。
そうこうしているうちに事業所スタッフが到着したので、コーヒーは丁重にお断りして家の中に入る。
肝心の介護サービスに関しては、驚くほど父も母も受け入れてくれたので拍子抜けした。家の中に他人が入ってきてあれこれするのをいやがる被介護者も多いのだそうだが。
母チコちゃんは、若い事業所スタッフのことを市役所のボランティアだと思っているようだ。父ハム夫くんは何も言わないが、若い女性スタッフの指示に従い薬を飲んでいる。
あとで母が言うには「オネーサンのいうことはよくきく」とのことだった。これって、もしかしたらジェラシーなのか?
まぁそういう感情があるくらい元気でよかったと思っておこう。
(第33話に続く)
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