2018年08月13日

第98話「アフター葬儀」

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父ハム夫くん(92歳)の葬儀が終わったあとに、葬儀場のスタッフからなにやら小冊子を手渡された。
それは葬儀後に必要な手続き関連の案内ガイドのようだった。
最初に書いてある項目は、「葬儀業者への支払い」とある。もっともな記述である。
支払い関連では、自動引き落とし先と名義の変更も必要だ。
これは電話するより直接窓口に行ったほうが、実は手早く処理出来る。。
というのも、これらの機関に電話すると、関連書類が郵送されきて必要事項を記して返送するというものが多い。
実家に滞在する期間が限られている遠距離介護者としては、これらが送られてくるのを待つ日にちがムダである。それなら直接行って素早く処理した方が早いのだ。
お次は、これからの様々な相続手続き時に必要な印鑑登録関連である。
今まで対社会的なことは全て父ハム夫くん(92歳)が処理していたので、母チコちゃん(86歳)はそもそも印鑑登録をしていない。
じゃあすぐに登録手続きをすればいいじゃないかと思うのは、相続のシロートだ。
本人が窓口に行っても、顔写真付きの証明書がないと即日発行してくれないのだ。もちろん母チコちゃん(86歳)はパスポートも運転免許証もマイナンバーカードも持っていないので、この点でアウトである。
そんな場合は代理人が出向き申請をした後、お知らせが本人の住所に郵送され、その中にある書類に署名して、再度代理人が窓口に行き、やっと印鑑登録できるというのだ。
この時間的ロスは、遠距離介護者には耐えられない。
印鑑登録に関しては、実家からクルマで1時間のところに住む妹U子にまかせることにする。
そういえば、以前なにやら保険会社から通知が来ていたのを思い出した。保険の内容は不明だが、死亡したんだから保険金が出るんだろう。さっそく電話してみる。
そこでわかったのは、入っていたのはガン保険で、ガンで死亡しないかぎり1円も出ないことだ。この保険は、ガン死亡時保証ではなく、ガン治療入院時の保証をする保険だったのだ。
毎月数千円の掛け金を数十年も払い続けてきたのに、なんってこったパンナコッタ!
このままでは今までの掛け金数百万円はムダである。
電話口の保険会社スタッフが言うには、母チコちゃん(86歳)と共有名義なので、チコちゃんが亡くなれば数万円支給されるという。この場合は死因がガンんでなくてもいいのだそうだ。
ここで解約して、今までの掛け金をあきらめるか、このまま継続して万一の場合の母チコちゃん(86歳)のガン治療に備えるか、進路は二つにひとつである。
決定までニか月くらいは猶予があるそうなので、妹U子と相談することにして、とりあえずは電話を切る。
その他種々の契約も確認する必要がある。
例えばケーブルテレビの契約。現状では地デジの2局くらいしか見ていないのに、BSやCSも含むオプション契約を結んでいるようだ。ケーブルテレビ用のリモコンも見あたらないし、テレビにつなぐセットボックスの位置に、使われていないビデオデッキが接続されている。数年前まではCSの時代劇専門チャンネルを二人揃って見ていたから、その後急激に二人ははボケ始めたのだろう。
住所を調べたらケーブルテレビのオフィスがすぐ近くにあることがわかり、これも電話で交渉するより行った方が早いという法則に従い、明日一番で行くことにする。
葬儀が終わっても、やることは多い。しかも初めてのことだらけだから、もう何がなんだかわからない。
アフター葬儀の日々はアタフタと暮れていく。
第99話につづく
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2018年08月09日

Kindle版『KAIGO日和』第1巻を無料で読めるかもしれない二つの方法

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Kindle版『KAIGO日和』第1巻を無料で読めるかもしれない二つの方法をご紹介します。
以下のような環境だと無料で読めるかも知れません。

●Amazonの月額読み放題サービスKindle Unlimitedに登録している
●Amazonのプライム会員でKindle端末を使っている

残念ながら作者はどちらにもあてはまらないので、実際にはどうなのかは断定はできません。
もし条件を満たしているような方がいらっしゃいましたら、是非お試しくださいませ。
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2018年08月06日

第97話「ハム夫くんサヨナ〜ラ♪」

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さっきから「いいえそれはけっこうです」とか「必要ありません」とか「いらないです」とか答え続けている。
父ハム夫くん(92歳)が突然あの世に去ってしまってからやってきたのは、葬儀に関するあれやこれやだ。
通夜はどうする、葬儀会場はどうする、花はどうする、ハガキはどうする、写真はどうする、食事はどうする、ドライアイスはどうする、坊さんはどうする、司会はどうする、骨壺はどうする、湯灌はどうする等々葬儀屋さんの怒濤の攻撃をかわしつつ、テキパキと判断して、ほとんどの提案にノーを言い続けるワタクシ。
たまにはイエスとも言って、適当におりあって、なんとか通夜葬儀に突入していくしかない。
今は、病院から葬儀場まで遺体を運んで、通夜と葬儀のだんどりもなんとかつけたところだ。
そんなとき、実家の近所に住む親戚のS子さんが「枕経はどうするん?」と言ってきた。枕経とは遺体安置時にあげるお経なのだそうだ。そんなもの全然想定していなかったので、あわててお寺さんに電話してきてもらう。
こんなことで、ちゃんと通夜から葬儀まで進行できるのだろうか不安になる。
一夜明けて、お通夜当日の朝。
昨夜、ボクの喪服を持って妻もやってきた。しかし、黒靴は重くて持ってこなかったので、会場に行く前に靴屋に寄って靴を買ってから行くことになった。
ところがどっこい、今は亡き父ハム夫くん(92歳)の靴でほとんど履いていなかったものが、ボクの足サイズにぴったりなのを発見したのだったのだ。
供養にもなるしいいよねと、玄関先で、丁度やってきた妹U子の家族たちと笑っていたら、母チコちゃん(86歳)が奥から出てきて「なんでそんな靴を履くんね?」と言う。
「なんでって通夜と葬式の時に履くんだよ」とボク。
「誰か死んだんか?」と母。
「誰ってお父さんよ」とボク。
「え〜っお父さん死んだんか」と母。
一同唖然…。
やがて、ハム夫くんが亡くなったことを思い出した母チコちゃんは喪服の準備をし始める。
唖然としていた一同がホッとした頃、チコちゃんの爆弾発言が出た。
「喪主の私は着物がいい!貸衣装の手配を!」
あわてて貸衣装を手配したものの、着付けは妹U子にS子さんに妻もふくめて数人でよってたかって整えたのだった。それなのに、いざ会場につくと草履が合わないで指が痛いといいだし、黒いスニーカーに履き替える母チコちゃんだった。
そんな珍妙なスタイルの母チコちゃんだがちゃんと化粧はしている。よく見ると眉がなんか不自然である。よくよくきいてみると、またまた驚愕の事実が露呈した。なんと眉にタトゥーを入れているのだという。なぜタトゥーをと疑問に思いつつ火葬場に向かう。
火葬場ではおごそかにスタッフがお棺をおして運んでいくが、靴のサイズが大きいようでパッコンパッコンいっている。もしも靴が脱げてつんのめったら、お棺がガタンと落ちてしまいそうだ、
自分の黒靴に始まり、母の黒いスニーカー、火葬場スタッフの大きすぎる靴と、なにやら足元が気になった弔いだった
その夜、風呂に入った時に、頭の中をメロディがよぎった。
それは、めったに歌なんか歌わなかった父ハム夫くんが、数十年前によく風呂場で歌っていた曲だ。
ナミダ君がどーたらこーたら、サヨナラ♪とかいうポピュラーソングだ。
そっと小さな声で歌ってみる。
大きな声で歌っても、耳の遠い母チコちゃんには聞こえないのだが。
第98話につづく
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2018年07月30日

第96話「入院そして退院」

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急に体調が悪化した父ハム夫くん(92歳)に付き添って救急車に乗っている。
ハム夫くんは、酸素マスクみたいなものをつけられて息が苦しそうだ。
それにしても救急車は揺れる。ベッドに横になっているハム夫くんが落ちてしまわないか心配になる。
本来なら今朝はショートステイに行って、その後は皮膚科にハム夫くんを連れていくことになっていたので、保険証とお薬手帳の入った通院セットはリュックに入っている。そんなわけで、このまま病院に行っても入院手続きはすぐにできる。
この皮膚科に行くというのは、前日やってきた訪問介護スタッフが足を洗ってくれている時に、ミズムシになってるようなので一度皮膚科に行った方がよいのではと助言してくれたからだ。ほとんど外出しない父ハム夫くんがミズムシになったのは、数ヶ月前から足がむくんでパンパンにはれていて、足指が常にくっついた状態でいたせいだと思われる。
しかし、救急車で運ばれている現在、ミズムシなんてどうでもいい
そうこうしているうちに病院に着いた。
救急診察室で、病院スタッフに囲まれたハム夫くんは仰向けに寝ている。
ボクがよびかけると一瞬目があいた。
スタッフがその反応に驚いている。これまで何も反応していなかったのだろうか。
応急処置をして五階の病室に入ることになったので、実家の近所に暮らす親戚のS子さんにLINEで連絡する。
しばらくして母チコちゃん(86歳)が、S子さんのクルマで病室までやってきた。
家族は今夜は泊まり込みになるかもとの病院スタッフの言葉に、母チコちゃんとS子さんはとりあえずハム夫くんの顔だけ見て、入院に必要な衣類等をとりに家に帰って行った。
残ったボクは、主治医と今後の治療方針について打ち合わせし、病院スタッフから入院について説明を受け、入院手続き書類にあれやこれや記入する。
病室にいても、その後は他にすることもなく、ベッドに横たわるハム夫君を見つめる。酸素マスクをつけているが、鼻も口も大きく開いてかえって呼吸が苦しそうである。
病院スタッフからいまのうちに食事をされたほうがいいですよと言われて、はじめて朝から何も食べていないのに気付く。
一階の食堂に行き、本日のオススメの親子丼を食べる。
これが思いのほかうまくて、食べているうちにドンドン元気が出てきて、これなら今夜の病室詰めもなんとかなりそうだわいと思っていたらiPhoneに着信。
電話は五階のナースセンターからで、容体が悪化したからすぐきてほしいとのこと。
あわててかけつけたら、もう心臓はほとんど動いていなくて、呼吸もほとんどなくなっていた。
担当医がやってきて、「お母様がお見えになってからまた来ます」と言って去っていく。
30分後くらいに、再び母チコちゃんとS子さんがやってきた。
父ハム夫くん(92歳)を見て、「薬で眠っとるんか」とつぶやく母チコちゃん(86歳)だった。
しばらくして担当医が来て「○時○分なんたらかんたら…」と言っている。
救急入り口から入って、霊安室脇の出口から出ていくハム夫くん。
わずか数時間の入院だった。
毎回、遠距離介護ツアーは、出発前にToDoリストを作成していくのだが、ほとんど計画通りにいくことはなかった。しかし今回ほど想定外の展開は初めてである。
よっしゃ、こうなったら、親子丼パワーで、最後の親子イベントに突入するのだ!
第97話につづく
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2018年07月23日

第95話「感謝しながらキモチA〜♪」

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第5次遠距離介護ツアーで、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市の実家にやってきて三日目の朝。
三日後には93回目の誕生日を迎える父ハム夫くんが、二泊三日のショートステイに出かける日だ。
昨日は、ほとんど何も食べず、一日中眠りこけていたハム夫くんだが、今朝はちゃんと目覚めて、パンとミルクの朝食後、デザートにバナナを食べている。
やがて訪問看護スタッフがやってきて、体をきれいにして着替えも手伝ってくれる。スタッフの指示にしたがいながら、ハム夫くんは「気持ちがえ〜の〜」とか「ありがとう、ありがとう」と感謝の言葉を発している。
ところが、食後の服薬確認あたりから、ちょっと様子が変になってきた。
薬を飲んだ後、水がうまくのみこめないようで、少し水を吹き出したのだ。
なんだか「ウ〜ンウ〜ン」と小さくうなっている。
母チコちゃん(86歳)にきいたら「いつものことじゃ」と言うのだが、少なくともボクはこれまでハム夫くんがうなっているのをきいたことはない。
そうこうしているうちに、ショートステイ先のスタッフが迎えにやってきた。
一方、先にやってきていた訪問看護スタッフは、ハム夫くんの体温や血圧をはかって、その結果から、今日のショートステイは中止にしたほうがいいとの助言をしてくれる。
ボクはもちろん同意する。
訪問看護スタッフとショートステイ先のスタッフが、ハム夫くんを両側から支えてベッドまで連れていく。
ハム夫くんはおとなしく横たわる。
父ハム夫くんがショートステイに行っている間の、母チコちゃんの様子を確認するのが、今回の遠距離介護ツアーの目的のひとつだったのだが、この状態では断念するしかない。
そんなことを考えていたら、訪問看護スタッフが、いまの父ハム夫くんの様子を医師に連絡して判断をあおいだほうがよいと助言をくれる。えっ、ただショートステイを休むレベルではないくらいの具合の悪さなのだろうか。さっそく医師に連絡すると救急車を要請したほうがいいとのことだった。
これを訪問看護スタッフに話すと、そのほうがいいですとのこと。
救急車か…と混乱しているボクに向かって、訪問看護スタッフは何か言っている。
救急車は家族の方が要請してください」と言っているのがきこえる。
訪問看護スタッフは、こういう現場に慣れてるんだから、さっさと救急車を要請してくれてもいいような気がするが、マニュアルでは家族に電話連絡させるようになっているのかも知れない。
それにしても救急車だ。
救急車の119番は何番だった?
救急車だから994がいいのでは?
でも9と4では縁起が悪い?
などとバカな問答を頭の中でしながら救急車を要請するのだった。
第96話につづく
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2018年07月16日

第94話「わが母チコちゃん、初めての一人暮らし」

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第5次遠距離介護ツアーで、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市の実家にやってきた。
今回のメインエベントは、父ハム夫くん(92歳)がサービス付き高齢者向け住宅(略称サ高住、もしくは、サ付き)にショートステイに行っている間の、母チコちゃん(86歳)の状態を確認することだ。
これまで父ハム夫くんは、1泊2日のショートステイを何回か経験して、先日からは2泊3日のショートステイをするようになっている。
そんな父ハム夫くんが不在の間、母チコちゃんの生活はどーなっておるのか謎なのだ。
実家の裏に住む親戚のS子さんや、介護事業所のスタッフなど、周囲の声からすると、母チコちゃんは手持ちぶさたなのか近所の電気屋で2時間もおしゃべりしたり、意味のない掃除やら整理やら、本人は家事だと思っているムダな動きをしているらしい。
たぶん、何をどうしていいのかわからないのだろう。
母チコちゃんは裕福な家の末っ子で、可愛がられ甘やかされて育ち、結婚してからは夫の庇護のもとで社会的なことにはタッチせずぬくぬくと過ごしてきた箱入り婆さんなのだ。家の中のことはともかく、対外的なことは一人では何もできないのが現状だが、いまから自立した女性として生きろというのは無理である。
父ハム夫くんがショートステイで不在な間が、おそらく初めての一人暮らしなのだ。
ちょうど明日から、父ハム夫くん(92歳)の2泊3日のショートステイが始まる。
この2泊3日の間は、母チコちゃん(86歳)は短期未亡人生活にはいるのだ。
順番からいって、いずれは一人暮らしをするようになるであろうから、その日のための予行演習ともいえる。
初めてのおつかいならぬ、母チコちゃん初めての一人暮らしは、果たしてどんな日々なのか。
第95話につづく
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2018年07月09日

第93話「謎の女子会」

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父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市への遠距離介護ツアーの合間で、二人の様子をさぐるには電話が一番である。カステラが二番なのかはどうでもよい。
来週からの第5次遠距離介護ツアーを前にして、近況を電話できいてみた。
最近元気?という定番に始まって、あれこれ話していると、毎回必ず出て来るのが「市の脳トレ教室に行ってきたよ」というエピソードだ
あまりにも毎回言うものだから、かえって不信感が募り市役所に問い合わせてみたら、たしかに以前は市が主催の脳トレ教室があったらしいが、今はないということだった。
それなのに、母チコちゃんは毎週第一水曜日と第三水曜日に行っているという。
行く時はバスで行く時もあり、調子がよければ歩いて行く時もあるという。帰りに疲れた時はタクシーで帰ることもあるという。実にリアルである。
でもそんな事実はない。
この母が言う「市の脳トレ教室」なるものについて、詳しくきくとメンバーの誕生会やら、お花見やら、はたまた廃線が決まって急に人気が出てきたJRのローカル線に乗りに行ったりしているという。全然「脳トレ教室」の活動ではない。
どちらかというと年輩者の女子会の活動ではないか。
こんなときはインターネット検索である。
とはいっても、こんなハッキリとしない状態で実態にヒットするのは至難の技である。そんな時は画像検索だ。
市の名称、脳トレ、誕生会、廃線などを検索ワードにしてサーチしてみる。
たくさんの画像が表示されるが、その中にバーさんたち数人が、誕生会とかいたカードを持った画像がいくつかあった。その中のひとつに母チコちゃん(86歳)の姿を発見した。画像の置いてあるURLを開いたら、なにかのサークルのサイトだった。主催者はさまざまな活動をしている人らしく、日々の活動をアップされているようだ。その中のコンテンツのひとつに、主催者のお母さんとその友達のグループでランチしたりするものがある。そのメンバーの一人が母チコちゃん(86歳)だった。断片的な情報をつなぎあわせると、このメンバーは以前に市が主宰した脳トレ教室での同期生だったようだ。脳トレ教室が終了したあとも交流が続いて、ランチしたり一緒にどこかに行ったりしているらしい。
まだまだ謎の多い女子会ではあるが、わが母チコちゃんが楽しんでいるのなら、それはそれでいいだろう。
第94話につづく
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2018年07月02日

第92話「ハム夫くん要介護3」

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わが父ハム夫くん(92歳)介護認定区分変更結果の書類が届いた。
本来なら、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市の実家に送られるものだが、郵便物受け取り後の管理がうまくできなくなっている二人だから、約800キロ離れた我が家に届くようにケアマネさんが手配してくれたのである。
封筒の中には、通知書と新しい介護保険証が入っている。
おそるおそる開封してみる。
前回の遠距離介護ツアーで立ち会った介護認定区分変更訪問調査の結果は、要介護3だった。
これまでは要介護1だったから、二階級特進であるエッヘン!などというものではない。
さてこれで一段落、ではなく遠距離介護者のやることはまだまだある。
このたび交付された介護保険証でケアマネさんはいろいろ手続きがあるようで、コピーを送ってくれといわれていたのだが、ウチは現在プリンタは使っていないので、コンビニに行ってコピーをとらなければならない。
さらに封筒に入れて切手をはって郵送は、とても面倒臭い。
スキャナーで介護保険証をスキャンして、メールに添付して送ることにした。
しかし、ケアマネの名刺にはメールアドレスはない。
父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市だけのことなのかもしれないが、介護関連の人と会って名刺交換してもメールアドレスが記してないことが多い。
ケアマネの名刺にはなかったが、同じ時に顔合わせした介護事業所管理者の名刺にはメールアドレスがあったので、ここ宛にスキャンしたデータをPDFファイルにして送ってみた。
本文なしで、ただファイルを送るのもさみしいので、父ハム夫くん(92歳)の月間介護予定表をPDFファイルにして送ってくれとも書いておいた。
今まで予定表はプリントしたものを手渡されていたのだが、ファイルで送ってもらえば便利である。
数日後…。
介護保険証をスキャンしたデータは、ちゃんと受け取れたとショートメールで返信が届いた。
さらに数日が経過した。
月間介護予定表のPDFファイルは届かない。たぶん、今後も届くことはないだろう。
とにもかくにも、父ハム夫くん(92歳)は要介護3レベル確定した。
これまでよりは、介護サービスも多く受けられるようになるのはよいことだ。もっとも、そのぶん以前よりは費用も多くなるのは、ちょっと困ったチャンである。
第93話につづく
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2018年06月25日

第91話「久々の入浴」

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ニューヨークに行きたいか〜っ!」は、アメリカ横断ウルトラクイズだが、同じようなことを父ハム夫くん(92歳)にも言いたいと前から思っていた。
入浴したいか〜っ!」と。
だんだん日常生活の質を保つことが難しくなっている父ハム夫くん(92歳)だが、そのなかでも以前と大きく変化したのが入浴だ。
遠距離介護生活が始まって数ヶ月がたつが、ボクが見た限りでは、父ハム夫くんはシャワーを何回か浴びただけで、ちゃんと浴槽に入ることはしていないようだ。
しかし長い間入浴していないわりには不潔に見えないし、風呂に入らなくても死ぬことはないだろうが、やっぱり風呂には入ったほうがいいように思える。
そんなわけで、次回の第5次遠距離介護ツアーでは、なんとか入浴させたいと思っていたある日、妹U子からLINEで画像が送られてきた。
ボクと違って、実家からクルマで1時間のところに住む短距離介護者の妹U子は、夫妻で一ヶ月に何回かは実家に行っている。きょうも様子を見に行ったところ、なんと父ハム夫くんが自分からすすんで入浴したというのだ。
送られてきたムービー画像を見ると、父ハム夫くん(92歳)が湯船につかって「あ〜気持ちがえ〜」と本当に気持ち良さそうにしている。
この微笑ましいムービーを何度も見ていたら、あることに気付いた。
浴槽に入った父ハム夫くんの手に何かが握られている。よ〜く見たら、それは杖のようであった。
先日、介護業者でレンタルした杖で、初めて使った日からとても気にいっている杖である。
安定がよくて歩きやすいと言っていたから、お風呂場でも安全のために持って入ったのだろう。
風呂に入らなくなっていたのは、もしかしたら浴室で転倒のおそれがあるので自ら回避していたのかもしれない。
それなら浴室をもっと安全にすれば、もっと入浴する回数が増えるかもしれない。
妹U子と相談して、滑り止めマットを入れることにした。
さらに手スリもつけようと相談していたら、横から母チコちゃん(86歳)が「そんなもんいらん」と言ってきた。
最近どうも母チコちゃんは、介護関連について否定的で、なんでも反対してくる。自分の知らないところで事態が進展していくのが嫌なようである。
入浴に関しては後日さらに進展があった。
それは父ハム夫くん(92歳)の二回目のショートステイのこと。
一回目のショートステイでは拒否した入浴を受け入れたのだ。
もしかしたら、この日の自宅での入浴は、ショートステイでの入浴の予行演習のつもりだったのかもしれない。
ちなみに、この二回目のショートステイでは、食事も完食し、新聞を読んだりテレビを見たりして穏やかに過ごすことができたのだった。
この調子なら、今後のショートステイもうまくいきそうである。
そうそう、ひとつ確認し忘れたことがある。
ショートステイでの入浴時にも杖を持って入ったのだろうか、ということを。
第92話につづく
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2018年06月18日

第90話「初めてのショートステイ」

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H県M市の実家で暮らす父ハム夫くん(92歳)のショートステイ挑戦がいよいよはじまった。
息子としては全面的に応援したいが、その現場に立ち会えないのが離れて暮らす遠距離介護者の弱みである。
しかし、どんな様子なのか非常に気になる。
父を世話しているつもりになっているが、その実態は何もしていない母チコちゃん(86歳)に電話できいても、ちゃんとした状況説明はできないから無理である。
実家の隣に住んでいる親戚のS子さん(75歳)や、ケアマネや、ショートステイのスタッフからの報告を総合して判断するしかない。
そもそもショートステイとは何か?
漢字で書くと、短期入所生活といったところか。
今回のショートステイ先は、同じ市内にある、サービス付き高齢者向け住宅である。略称「サ高住」。介護業界ではさらに略してサツキ(サ付き)というらしいが真偽は不明である。
その「サ高住」に、1泊2日の日程で過ごすのが今回のショートステイだ。
午前10時頃にクルマで家まで迎えに来てくれて、翌日の午後4時頃に家まで送ってくれるスケジュールだ。
1日目。
午前中はどこからも連絡はない。
デイサービスの時も、父ハム夫くん(92歳)が行くのを拒否した場合や、行っても帰ると言い出したときなど、何か問題があった時しか連絡はなかったから、何も連絡はないということは順調に進んでいるのだろうと楽観的に考え、こちらからも連絡はしなかった。
夕方、ケアマネから連絡があった。
それによると、昼食は摂らなかったが夕食は摂ったようで、新聞を読んだり、窓から外を眺めたりして過ごしたということだった。トイレ誘導に入浴は拒否しているらしい。
夜になって、実家からクルマで1時間のところに住んでいる妹U子から連絡があった。
父ハム夫くん(92歳)のことが心配で、ショートステイ先のサービス付き高齢者向け住宅に電話して様子をきいたらしい。ハム夫くんが出された食事に手をつけてなかったことが気になったようだ。ここのところ、食べ過ぎで太り気味の父ハム夫くんだから、1食くらい抜いたって大丈夫だよというボクに、妹U子は不満そうである。
なんだかんだあったようだが、1日目からカンシャクをおこして帰ってしまうという最悪の状況にはなっていないようである。
2日目。
夕方、ショートステイ先のサービス付き高齢者向け住宅スタッフから連絡。
二日目は食事もちゃんと摂ったそうで、無事に送り届けたという報告だった。
これは、初めてのショートステイとしては大成功ではなかろうか。もしかしたら、1日目のお迎えのクルマに乗るのを拒否するのではとも思っていたし、仮にうまく現場についても途中で帰ると言い出さないかと心配していたので、この結果は万々歳である。
ここで問題になるのが、父ハム夫くんがショートステイ中に、実家で一人になってしまう母チコちゃん(86歳)である。
隣に住む親戚のS子さん(75歳)から、コレに関して報告をいただいた。
それによると、母はショートステイに関して事前に説明を受けていたにもかかわらず、全く理解していなかったそうだ。昔のことは覚えていても、新しいことは5分後には忘れてしまう昨今だからしかたないことではあるが。
様子をうかがいにS子さんが家を訪ねて「今夜はハム夫くんはお泊まりよ」と言っても、母は「そんなことは聞いてない」と言っていたそうだ。
再度、様子を見に行った時は「お父さんはいつ帰るんか」と心配していたとのことだ。
今後のショートステイ関連の問題は、父ハム夫くん(92歳)ではなく、母チコちゃん(86歳)かもしれないなァと考え込む遠距離介護者なのだった。
第91話につづく
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