2017年11月10日

第48話「初めての不在者投票」

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いよいよ、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市に向かっての第三次遠距離介護ツアーが始まった。
第三次ともなれば少しは慣れてきたような気もするが、まだまだ初めての事も多い。
今回のソレは選挙の不在者投票。
遠距離介護ツアー日程と、突然の選挙の日程がビミョーにかみあわず、告示前に出発し、帰宅するのは投票日以降の予定なので、期日前投票もできないことが判明した。
そこで登場するのが、初体験の不在者投票
出発前に、第45話「遠距離介護選挙」で述べたような準備をして、いざH県M市へ!
不在者投票の最初のステップは、レターパックプラスで投票用紙がH県M市の実家まで送られてくるのである。
しかし、ここにひとつ問題がある。これまでも何度か書いてきたが、父ハム夫くん(92歳)も母チコちゃん(86歳)も郵便物の管理ができない。レターパックプラスを受け取っても行方不明になる確率が高い。
父ハム夫くんよりも母チコちゃんの方がいくらかはマシなので、なんとか母チコちゃんに受け取ってほしいと願っていたら、願いが通じたのか母チコちゃんが受け取り保管していてくれた。
ほっ。
次はこのレターパックプラス持参でH県M市の選挙管理委員会に出かけて投票である。
さっそくM市役所に行ったが、期日前投票所の案内はあるのに、なかなか選挙管理委員会が見つからない。
最上階の廊下の一番奥にやっとみつけて、カウンターで案内を請う。
不在者投票ですと告げたら、メガネ小太り男子職員に案内されて別室に案内される。投票所というよりも備品置き部屋みたいなところで、指定された椅子に座り、男子職員と二人きりで向き合う。
レターパック内から出した投票用紙について説明があり、それでは記入してくださいとの案内がある。その瞬間、彼は立ち上がり窓際まで進みこちらに背を向けなにやらブツブツ言っている。
記入し終わったら言ってください」と彼が言う。
白いワイシャツの背中を見ながら、まずは小選挙区選出候補者を書く。
書き終わりました」とボクが言う。
彼はやおら振り向き、元いた場所に戻り、ボクの前に再び着席する。
この後、比例代表選出と裁判官国民審査で同じ事を繰り返し、投票用紙を袋に入れて封をして手渡すと、彼がそれらを封筒に入れ「これからあなたの居住地の選管に速達で送ります」と宣言して、儀式のような不在者投票は終わった。
こうして、ボクの1票は無事に選管に届いたはずである。
でも、こんなに手間をかけて投票した選挙の結果がアレですから、ちょっと脱力したのでした。
まぁ、これから続く遠距離介護生活に比べれば、脱力の度合いはたいしたことないですけどね。
第49話につづく
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2017年11月08日

第47話「初めてのジパング倶楽部」

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いよいよ、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市に向かっての第三次遠距離介護ツアーが始まる。
今回の新兵器は、ジパング倶楽部会員割引を利用しての移動である。
なんといっても料金が2割から3割もお安くなるのは、遠距離介護者にとってはうれしい。
というわけで、出発前にネットでチケットの手続きをしようとしたところ、ネットではできないことがわかった。
販売機でも買えず、JRの窓口でのみの販売のようなので、出発当日は早めに家を出る事にする。地下鉄を乗り継ぎ最寄りのJR駅に行ったところ、なんとこの駅の窓口は早朝はあいていなかったのだ。こりゃいかんと、あわてて東京駅の窓口まで移動するのだった。
さすがに東京駅の窓口は開いている。
以下、初めてのジパング倶楽部利用の手順。
(1)JR乗車券購入証に会員情報や購入乗車券情報を記入する
(2)窓口係員に提示して乗車券購入証を切り取ってもらう
(3)旅行記録証に丸いハンコをペタンとおしてもらう
(4)ジパング倶楽部割引乗車券を受け取る
(5)旅行中は会員手帳と写真付きのジパング倶楽部会員証を携帯し、請求があれば提示する
以上これでオシマイ、といいたいが、実際には支払いをクレジットカードでしようとしたところ、エラーになって使えなかった。
まさかクレジットカードは使えないのか?とも思ったが、後日カード会社に問い合わせたら、そんなことはなく、たまたま何かのセキュリティチェックにひっかかったものと思われるとのことだった。
慣れない目覚まし時計での起床で頭がボーッとしているし、なんだか前途多難な第三次遠距離介護ツアーのスタートだった。
第48話につづく
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2017年11月06日

第46話「第三次遠距離介護ツアー出発直前」

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もうすぐ、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市での、第三次遠距離介護ツアーが始まる。
これまでの第一次と第二次の遠距離介護ツアーの経験をふまえて準備する日々が続く。
まず用意したのはPC収納リュックだ。
今回は仕事も少しやってみようと考え、MacBookPro13インチとスモールサイズのペンタブレットを持参することにした。さすがにスキャナーまでは持って行けない。
PC収納リュックは15インチまで収納出来るタイプなので、MacBookPro13インチを入れて更に少しばかりの着替えを入れるくらいの余裕はある。
これまでは着替えもそれなりに持っていったのだが、これから何度も遠距離介護ツアーはあるだろうし、今回からは現地での着替えは現地調達にすることにしたので身軽なのである。リュックひとつにおさまるくらいの荷物になった。
次に用意したのはジパング倶楽部会員証と会員手帳
これで新幹線も割引になるというので入会したのだが、手引書を読むと、新幹線のぞみ号は利用出来ないとのことだった。つまり、ひかり号やこだま号で乗り継いでちょーだいね!ということのようだ。まぁ2割から3割程度安くなるんだからそのくらいはしかたないかと納得。
最後に用意したのがウクレレ。
いや、べつに父母にウクレレを聴かせる音楽療法といったハナシではない。近々、ウクレレを人前で演奏する機会があるので、そのための練習用だ。今回持って行くのは、リュックにスッポリ入るサイズの、小さなエレキウクレレRISA
エレキウクレレだから、アンプにつながなければほとんど外部に音は洩れず、いつでも練習出来る利点がある。もっとも、父ハム夫くんも母チコちゃんも耳が遠いので、大きな音を出しても全然問題はないのだが。
てなわけで、ウクレレ背負った渡り鳥の、第三次遠距離介護ツアーは準備万端整った!
第47話につづく
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2017年11月01日

第45話「遠距離介護選挙」

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母チコちゃん(86歳)の介護認定訪問調査立ち会いのための第三次遠距離介護ツアーの日程をたてていて、ふと気がついた。
今回は2週間程度の滞在になりそうだが、ちょうど選挙の告示日と投票日にモロ重なっているではないか。
選挙で投票してもほとんど何も変わらないよな〜(たいていは泡沫候補とよばれる人に投票しているからかも知れないが)と思いつつも、最近はほぼ投票に行っている身としては、今回の選挙は棄権したくない。
今まで期日前投票はしたことがあったが、今回のようなケースは初めてである。
遠距離介護などで投票日に居住地にいなくて、期日前投票も出来ない場合は不在者投票という手段がある。
まずは住んでいる区のウェブサイトで調べたら、以下のような手順だった。
(1)不在者投票請求書PDFをダウンロード
(2)上記をプリントアウトして必要事項を記入
(3)選挙管理委員会窓口で不在者投票請求
(4)請求書記載住所に投票用紙が送られる
(5)滞在先で投票用紙を受け取り、滞在先で投票
(6)滞在先選挙管理委員会から居住地選挙管理委員会に投票用紙発送
ああ、めんどうくさい。
でも、こんなにがんばって手続きして投票しても、選挙の結果はいつものようにアレな結果になりそうな気がする。
介護も選挙も、なかなか思うようにはいかない。
第46話につづく
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2017年10月30日

第44話「クブンヘンコーシンセー」

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利用している介護事業所から連絡があり、母チコちゃん(86歳)の「クブンヘンコーシンセー」をしたいとの要望があった。
クブンヘンコーシンセーとはなんぞや?
事業所との会話では、クヘンとも略されているようだが、もちろんバームクーヘンとは何も関係がない。
だんだん話しているうちにどうやら区分変更申請らしいとわかってきた。
要するに、現在要支援1で介護サービスを受けている母チコちゃんだが、支援1には相当しないと介護事業所が判断したのだ。
なぬ〜っ、それってまた申請書を出して、訪問調査に立ち会い、介護認定通知を受け取り、介護サービスの契約をするという、あの一連の流れをもう一度やるということなのか?
これまで第一次と第二次の遠距離介護ツアーでいろいろやったことがリセットされるなんて、あの大騒動はいったい何だったんだよ〜!と叫びたいのをジッとこらえて、「わかりました」と答えたのだった。
さっそく申請手続き開始である。
申請書の提出手続きは、実家からクルマで1時間の所に住んでいる妹U子にたのむとして、訪問調査のほうは、前回は近所に住む親戚のS子さんに立ち会ってもらったので今回はボクが行くしかないだろう。介護認定通知の郵便は、前回は父ハム夫くん(92歳)が受け取ってどこかにしまいこんでしまい大探しをしたが、あれ以来郵便物は妹U子のところに転送するようにしたので、今回は大丈夫だ。
こうして、第三次遠距離介護ツアーへの道が開かれた。
やれやれ、いつまでこんなことが続くんだよ、というココロのつぶやきツイート。
第45話につづく
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2017年10月27日

第43話「混乱する母」

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遠距離介護の欠点は、近くにいないぶん実際の状況がよくわからないこと。
連日のように事業所や、ご近所や、地域包括センター等から連絡が入るのだが、それらを総合してみると、浮き上がってくるのは、うろたえて混乱する母チコちゃん(86歳)の姿だ。
【玄関の鍵さしっぱなし事件】
訪問した看護師さんが、玄関ドアに鍵がさしっぱなしなのを発見して注意したところ、母チコちゃんは「これは父ハム夫くん(92歳)のしわざじゃ、ハム夫くんはいつも施錠ばかりしてるから」と言ったのだそうだ。確かにハム夫くんは施錠に執着していてすぐに鍵をかけるのだが、それは家の中からのチェーンロックに限ってだから、ほとんど外出しないハム夫くんが玄関ドア外の鍵穴に鍵をさしっぱなしにすることは考えられない。たぶん、母チコちゃんが自分で鍵をさしっぱなしにしていたのを忘れたのだろう。
【買い物カート事件】
近所に住む親戚のS子さんに、母チコちゃんが、買い物カートがなくなったと訴えたそうだ。それもただの紛失ではなく、父ハム夫くんがどこかに捨てたか隠したと言うのだ。そんな大きいものをハム夫くんがどうかするとは考えにくい。これをきいてピーンときたS子さんは、愛車をぶっ飛ばして近所のスーパーに行き、店内に放置してあった買い物カートを発見して持ち帰ってくれたのだった。なんでもかんでも自分の周りの不可解なことをハム夫くんのせいにする母チコちゃんだった。
【父ハム夫くん意識不明事件】
介護事業所からの電話で、父ハム夫くんが意識不明なので今スタッフが家に向かっているとの連絡がはいった。えっ、どーゆーこと?慌てて家に電話したら、すでに到着していた介護事業所スタッフが電話に出た。
スタッフが母チコちゃんにきいたところによると、気付いたら玄関先に座り込んで意識不明だったとのこと。スタッフによると現在は血圧は少し高いものの熱もなくとくに異常はないと報告だった。本当に意識不明だったのか疑問は残る。単に座ってボーッとしていただけなのかも知れない。
とまぁ、お騒がせ続きの母チコちゃんだが、当の本人が全然深刻でないのだけが救いではある。
第44話につづく
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2017年10月25日

第42話「情報共有は20世紀方式」

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遠距離介護は、実際に近くにいないぶん情報がより大切になる。
連日、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)に関して、キーパーソンたるボクのところにさまざまな情報がはいってくる。
情報の出所は、地域包括支援センター、市役所、介護事業者、かかりつけ医、民生委員、近所の人々などからだ。
これって、昔何かで習ったステークホルダーとかいうものでしょうか。違うかも知れないが、まぁ平たく言えば関係者ですね。
この関係者間で、情報共有ツールやアプリを利用すれば話は早いのだが、全然そうはいかない。
話が早いと言うより、遅い、遅い。
遠距離介護で、これらの人々と連絡をとりあうことが増えたのだが、一番頻繁に使われる手段は電話なのである。
21世紀に入ってからは公私ともにインターネットで事足りるようになっていたのに、電話、しかも固定電話にバンバン連絡が入って来る。もう何年も固定電話は使用していなかったのでそろそろ解約しようかとも考えていた矢先だったので、これにはビックリしている。
そう、遠距離介護の連絡手段は20世紀方式なのだった。
介護事業所とショートメッセージで連絡をとる場合もあるが、これも一台の携帯電話を共同で使っているらしく、なかなかケアマネ本人には連絡がとれなかったりする。
そんなわけで、両親の介護関連では、通常のメールやらLINEは使っていない。
唯一の例外が、近所に住む親戚のS子さん(75歳)で、LINEを使えるのでとても助かっている。
これらの人々からの情報をまとめて、一ヶ月に一度月例報告としてPDFを、実家からクルマで1時間の所に住んでいる妹にメールに添付して送っている。PDFにするにあたって一ヶ月分のメモを整理していると、ずいぶん前の出来事だと思っていたことが、ああこのトラブルは今月だったのかとびっくりすることもある。介護する方もされる方も時間の流れがこれまでの日常とは違っていることを実感するのだった。
この月例報告をいつまで続けることになるのか。
マンガの連載と同じで、急に始まり急に終わるかも知れないし、ダラダラと当人もビックリの長期連載になるかもしれない。作者急病により休載しますなんてこともあるかも知れず、先は読めないのだった。
第43話につづく
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2017年10月23日

第41話「三日で二度転倒」

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父ハム夫くん(92歳)が三日で二回転倒した。
それなのに、母チコちゃん(86歳)は、この事を全然心配していない。
第1回目の転倒は、父ハム夫くんの居室で転倒したらしい。
らしいというのは、誰もそれを目撃していないからだ。
母が買い物に行って帰ってきたら、畳に突っ伏して倒れていたのだ。
そこで母がとった行動は119番に電話ではなくて、地域包括支援センターに走っていき、いつもお世話になっているTさんに知らせたのだった。
すぐにTさんと保険師さんがかけつけ応急処置をしてくれたのだが、この件に関してボクが知るのはしばらく後になる。
センターに帰ってから、Tさんがボクに電話をしてくれて事の顛末がわかったのだが、頭をうった可能性もあるから病院に行った方がいいのではとTさんが母に言っても、母は「大丈夫、大丈夫よ」と言うばかりだったらしい。
その翌々日、母の留守中にまたしても父は転倒した。
今度は台所で、コーヒーメーカーが割れて床に散乱し、そこに尻餅をついた状態だったらしい。
今回は、近所に住む親戚のS子さんの知るところとなり、病院には行かなくていいよという母を説得して、クルマをぶっとばして外科まで連れて行ってくれたのだった。
幸い、骨には異常がなかったものの打撲は相当はげしかったようだ。
転倒して数日後に実家に行った妹のU子が、父の傷跡を撮影してLINEにアップしてくれた画像を見ると、小指から上腕部にかけて内出血していて痛々しかった。
母に電話して「次にこんな事があったら救急車をよぶんだよ」と助言したが、「大丈夫、大丈夫」という返答だった。
大丈夫と言う母チコちゃん自身が、全然大丈夫じゃないのではと思う遠距離介護者のボクだった。
八百キロ離れた両親が住むH県M市は遠い。
第42話につづく
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2017年10月20日

第40話「金銭管理大混乱」

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二人でなんとか毎日を過ごしている父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)だが、いかんせん金銭管理ができない。
一時はゴミに出してしまった通帳を回収して、印鑑も照合し、キャッシュカードも再発行したが、この状態では二人にまかせられない。
父ハム夫くんに「金銭管理は代行するよ」と言って、なんとなくうなずいたので承諾したものとして、印鑑や通帳などは貸金庫に保管しているのが現状だ。
介護関連経費はその都度引き出し、後で参照した時にわかりやすいように、使用項目を鉛筆で通帳に記している。
生計費は一ヶ月毎に、母チコちゃんにまとめて渡すことにした。
金銭管理はこれでひと安心と思ったある日の早朝、母から電話があった。
ポケットに五千円しかないからお金を送れと言っている。
先日の第二次遠距離介護ツアーから帰京する時に生計費を渡しておいたので、まだ手元には現金があるはずなのにと考えていると、電話の向こうで近所に住んでいつもお世話になっている親戚のS子さんの声がする。
電話を変わってもらうと、なんでも二人で墓参りに行った帰りに、クルマの中で急に母チコちゃんが、お金がないと言い出し、75歳の飛ばし屋S子さんがアクセル全開で帰宅してきたところなのだそうだ。電話の向こうでは母のオロオロする声が聞こえる。
たしか母はショルダーバッグのポケットを財布がわりに使っていたので、そのことをS子さんに話して調べてもらったら、ボクが渡した封筒が手つかずのままあった。母が自分でしまったのを忘れていたのだ。
一件落着。
と思ったら、午後にまた母から電話。
今度は変な請求書がきたというのだ。時間をかけてききだすと、それは介護サービス事業所からのものだった。捨てられては困るので、とりあえず保管するように言って電話を切る。
すぐに事業所に連絡をして確認したら、毎月、サービス明細と金額を記した書類に認め印が必要ということだった。介護サービス契約者の父ハム夫くんと母チコちゃんが対処すればいいのだが、二人は金銭管理ができなくなっている。それだけでなく二人は介護保険を利用してサービスを受けている自覚がなく、事業所スタッフをボランティアの若者と思っているのだから、請求書の確認なんか論外なのだ。
事業所と相談して、今後は実家からクルマで約1時間の所に住む妹U子が処理することにきめた。さて、残る問題は母の手元にある今月分の請求書だ。
これも事業所と相談の結果、記載に不備があったので回収するということにした。
こうして無事に請求書も回収され、母もこの件は忘れてメデタシメデタシのはずだったのだが、その後も母から電話がかかってくる。
「あの請求書はどうなった?」と。
忘れてはいけないことはすぐ忘れるのに、忘れてほしいことはなかなか忘れない母チコちゃんだった。
第41話につづく
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2017年10月18日

第39話「KAIGO日和・人物相関図」

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このブログも回を重ねて早二ヶ月、登場人物もだいぶ増えてきました。
父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)、遠距離介護者のボク、近距離介護者の妹U子、近所に住む親戚のS子さん、お向かいの美容院のマスターのM氏、地域包括支援センターのT氏、猫くん等々。
さらに今後も新たなキャラクターが登場しそうである。
そんなわけで、今回は『KAIGO日和』の人物相関図。
モデルのある人、ない人、いろいろ入り混じっています。
モデルのある人も、名前やら、続柄やら、性別やら、実際とは異なっています。
エピソードも100%真実ではありません。
イメージとしては49%くらいでしょうかね。
え〜っ、じゃあ真実じゃない割合が多いじゃないか〜!なんて言わないでください。
マンガ家のやることですから、あることないこと、ないことないこと、いろいろ入り混じってるんですよ。
只今、遠距離介護真っ最中のご同輩、すでに終わった先輩、これから始める後輩、遠距離介護にかかわるいろんな皆様に対するささやかな支援にでもなれば幸いです。
第40話につづく
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