2017年11月17日

第51話「二度目の訪問調査」

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いよいよ第三次遠距離介護ツアーのメインエベント、二度目の介護認定訪問調査である。
四ヶ月前の訪問調査は、近所に住む親戚のS子さんと、実家からクルマで1時間の所に住む妹U子に立ち会ってもらったので、ボクが立ち会うのは初めてのことだ。
まさかこんなに早く介護認定区分変更申請という事態になるとは思わなかったというのが正直な気持ちだ。
約束の時刻になってやって来たのは、現在契約中の介護事業所の管理者と担当のケアマネさんの二人だった。たしか五ヶ月前の訪問調査では市から委託された調査員が来たとの事だったが、今回はそうではないということなのか。本日の主人公、母チコちゃん(86歳)は、この二人の事は覚えていないようだ。説明しても「覚えとらんよ」の一言で片付けられた。
まずはお決まりの「今日は何月何日ですか?」から始まる。
ところが今日の母チコちゃん(86歳)は、これまでのテスト時とは違い調子が悪そうで、いきなり「○月○日」と答えるが、月も日もデタラメだった。
たまたまこの週に、母チコちゃん(86歳)の誕生日があったので。次の質問は「誕生日はいつでしたか?」というものだった。
これに対しても「いつだったか…昨日か…」というおぼろげな答えだった。正解は一昨日なのにね〜。
「買い物は一人で行けますか?」の問いには「ハイ!毎日Aストアまで歩いて行ってます」と答える。うむ、これは合ってるぞ、やっと調子が出てきたもよう。
しかしそれに続いて「BBプラザやグリーンモールにも行きます、帰りは荷物があるのでタクシーで帰る事もあります」と言うではないか。ウソつけ〜っ!そんな遠いショッピングセンターにはもう何年も行ってないだろが〜っ!とはボクのココロの声。
受け答えは普通なのでうっかり信じ込んでしまいそうだが、このての作り話というか妄想というか勘違い思い違い前提の会話が頻繁にあるのが、母チコちゃん(86歳)の会話の特徴である。それにしても、帰りはタクシーだなんて妙にリアルなところがある意味すごい。
今の答えは事実ではないですよと、調査中のケアマネさんに目配せでサインを送る。相手もプロだから、このての会話には慣れているようで、こちらにうなずきかえすのだった。
訪問調査終了後、母には別室にひっこんでもらって、ボクとケアマネさんでの打ち合わせ時に、施設の申し込みだけでもしておいたらとの助言があった。
その際ケアマネさんが、母が住む町内にあるサービス付高齢者住宅を例に出したところ、ケアマネさんの横にいた介護事業所管理者が「ウチの系列にも施設があります!」と割り込んで来る。まぁ、営業上は当然の反応である。
う〜む…。
今まで在宅介護の事しか考えていなかったが、施設を検討する段階に入っているのかと、ちょっとショックをおぼえるのだった。
訪問調査を終えて去って行く二人を見送る母チコちゃん(86歳)は、ボ〜ッとした様子で立ちすくんでいる。これまで来客があった時は必ずお茶の用意をしていたのだが、そのようなこともできなくなっているのかもしれない。
さて、この後は介護認定審査会の判断を待つしかない。結果通知は来月くらいということで、とてもそこまでは滞在出来ないが、父母が出来なくなっている雑事をこなすことにしよう。
第52話につづく
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2017年11月15日

第50話「主治医の判断」

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介護認定区分変更訪問調査の前に、母チコちゃん(86歳)の主治医と面談することにした。
その前に例によって認知症診断テスト。
暗算で100から連続して7を引いていく問題にもちゃんと答えている。(いつもは買い物の計算がうまく出来ず、万札で払っておつりをもらい、家には大量のコインがあるのに)
三つのモノを見せられ、しばらく後に「さっきお見せした三つのモノは何?」というテストにも正解を出している。(横でうっかりきいていたボクはひとつはすぐに思い出せなかったのにね)
その他の問題も順調にこなし、テスト結果は例によって高得点をたたき出す母チコちゃんだった。
担当したベテラン看護師さんが言うには「この結果だと現状と同じの支援1でしょうね〜」。
う〜ん、果たして区分変更になるのか。
ところが主治医の意見は違った。
「もう以前のお母さんとはちがうと思ってください、これだと支援ではなく介護認定のレベルですね」というものだった。物忘れが極度に激しくてもテストが高得点ということはあるそうなのだ。
介護認定結果には訪問調査と医師の意見書が重要らしいから、主治医がこういうのなら区分変更はありそうである。
支援から介護になれば受けるサービスも増えるのだろうが、支払額も増えるのが気になる。
せっかくだから、インフルエンザ予防接種の予約もすることにした。
去年もこの医院でしたからというので母チコちゃんに予診表に記入するように言ったが、一人では全然できない。これでは対外的なことは一人ではできないだろう。ましてや今までは対外的な事に関しては防波堤になっていた父ハム夫くん(92歳)が、預金通帳をゴミに出してしまうような暴挙に出る状態になっているのだから、もはや二人だけでの暮らしは成り立たないのではないだろうか。
第一次第二次と比べて、今回の第三次遠距離介護ツアーでの二人の生活の質は急降下で落ちている気がする。
でも、医師に「もう以前のお母さんとはちがう」と言われても、目の前の母チコちゃん(86歳)は以前と同じようにみえるのだった。ただし5分以内に限るのではあるが。5分以上だと、同じ話の無限ループ状態に突入してしまうので、こりゃ以前とは全然違うとわかるんですがね。
第51話につづく
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2017年11月13日

第49話「母チコちゃん高得点」

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今回の第三次遠距離介護ツアーの主目的は、介護認定区分変更訪問調査立ち会いだが、その前に、春に受診した神経内科を母チコちゃん(86歳)と再訪した。
前回の受診で医師がいうには、「認知症診断テストの結果もそんなに悪くないし、まぁ雪が降る季節になる前当たりに来てね」とのことだったので、約半年ぶりだ。
テストというのは、口頭で「今日は何月何日?」などというものと、立体図を実際に書いたりするものの2種類があり、それぞれ30点満点で、前回は20点ちょっとプラスという結果だった。
今回は、母がテストを受ける前に家族問診がある。
スタッフのオネーサンによばれて、ボクだけが別室に通される。
不在者投票で、選挙管理委員会の小太りメガネ男子と密室で二人きりになるのよりは、スタッフのオネーサンと二人きりの方が256倍は楽しい。
母チコちゃん(86歳)の日頃の様子などかなり細かい質問事項にこたえる形式で、思ったより時間がかかった。
問診が終わり、スタッフのオネーサンと並んで廊下を歩いているときにまた質問された。
「お仕事は美術関係ですか?」と。
どうもこれは母チコちゃん(86歳)に関するのではなく、ボク自身に対してのようだ。まぁ大きく言えばマンガ家も美術関係と言えなくもないが、いったいどういう意味合いでの問いなのかわからない。
「なんで?」と聞き返したら「オシャレだから」と返答があった。
その途端、ココロの中で爆笑してしまった。
なぜなら、この日の服装は前日にユニクロで購入したシャツ、カーディガン、パンツだったからだ。それというのも出発した時はまだ夏の名残りがある秋だったのに、父母が暮らすH県M市に来た途端、冬めいた秋になってしまい、薄物の着替えしか持参していなかったので慌ててユニクロに駆け込んで冬物を買ったのだった。
しいてユニクロ以外といえば、ニットのシマシマネクタイをしていたくらいだ。これとて果たしてオシャレといえるものなのかは、判断がわかれるところである。
そうこうしているうちに、母チコちゃん(86歳)のテストも終了。
結果はなんと前回よりもアップして高得点をたたきだしていた。あんなに日常的に物忘れがはげしいのにどういうことなんだろうか。
医師の診断では、現状では認知症とは断定できないようだ。
次回はいつ通院でしょうかと医師にきいたら「う〜ん1年後くらいに」とのこと。別に予約の必要もないし、薬も出ないので、極端なハナシ来たかったらきなさいよ、みたいなニュアンスも感じられる。
ということで、1年後はもっとオシャレして来ようと、固くココロに誓うのだった。
第50話につづく
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2017年11月10日

第48話「初めての不在者投票」

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いよいよ、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市に向かっての第三次遠距離介護ツアーが始まった。
第三次ともなれば少しは慣れてきたような気もするが、まだまだ初めての事も多い。
今回のソレは選挙の不在者投票。
遠距離介護ツアー日程と、突然の選挙の日程がビミョーにかみあわず、告示前に出発し、帰宅するのは投票日以降の予定なので、期日前投票もできないことが判明した。
そこで登場するのが、初体験の不在者投票
出発前に、第45話「遠距離介護選挙」で述べたような準備をして、いざH県M市へ!
不在者投票の最初のステップは、レターパックプラスで投票用紙がH県M市の実家まで送られてくるのである。
しかし、ここにひとつ問題がある。これまでも何度か書いてきたが、父ハム夫くん(92歳)も母チコちゃん(86歳)も郵便物の管理ができない。レターパックプラスを受け取っても行方不明になる確率が高い。
父ハム夫くんよりも母チコちゃんの方がいくらかはマシなので、なんとか母チコちゃんに受け取ってほしいと願っていたら、願いが通じたのか母チコちゃんが受け取り保管していてくれた。
ほっ。
次はこのレターパックプラス持参でH県M市の選挙管理委員会に出かけて投票である。
さっそくM市役所に行ったが、期日前投票所の案内はあるのに、なかなか選挙管理委員会が見つからない。
最上階の廊下の一番奥にやっとみつけて、カウンターで案内を請う。
不在者投票ですと告げたら、メガネ小太り男子職員に案内されて別室に案内される。投票所というよりも備品置き部屋みたいなところで、指定された椅子に座り、男子職員と二人きりで向き合う。
レターパック内から出した投票用紙について説明があり、それでは記入してくださいとの案内がある。その瞬間、彼は立ち上がり窓際まで進みこちらに背を向けなにやらブツブツ言っている。
記入し終わったら言ってください」と彼が言う。
白いワイシャツの背中を見ながら、まずは小選挙区選出候補者を書く。
書き終わりました」とボクが言う。
彼はやおら振り向き、元いた場所に戻り、ボクの前に再び着席する。
この後、比例代表選出と裁判官国民審査で同じ事を繰り返し、投票用紙を袋に入れて封をして手渡すと、彼がそれらを封筒に入れ「これからあなたの居住地の選管に速達で送ります」と宣言して、儀式のような不在者投票は終わった。
こうして、ボクの1票は無事に選管に届いたはずである。
でも、こんなに手間をかけて投票した選挙の結果がアレですから、ちょっと脱力したのでした。
まぁ、これから続く遠距離介護生活に比べれば、脱力の度合いはたいしたことないですけどね。
第49話につづく
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2017年11月08日

第47話「初めてのジパング倶楽部」

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いよいよ、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市に向かっての第三次遠距離介護ツアーが始まる。
今回の新兵器は、ジパング倶楽部会員割引を利用しての移動である。
なんといっても料金が2割から3割もお安くなるのは、遠距離介護者にとってはうれしい。
というわけで、出発前にネットでチケットの手続きをしようとしたところ、ネットではできないことがわかった。
販売機でも買えず、JRの窓口でのみの販売のようなので、出発当日は早めに家を出る事にする。地下鉄を乗り継ぎ最寄りのJR駅に行ったところ、なんとこの駅の窓口は早朝はあいていなかったのだ。こりゃいかんと、あわてて東京駅の窓口まで移動するのだった。
さすがに東京駅の窓口は開いている。
以下、初めてのジパング倶楽部利用の手順。
(1)JR乗車券購入証に会員情報や購入乗車券情報を記入する
(2)窓口係員に提示して乗車券購入証を切り取ってもらう
(3)旅行記録証に丸いハンコをペタンとおしてもらう
(4)ジパング倶楽部割引乗車券を受け取る
(5)旅行中は会員手帳と写真付きのジパング倶楽部会員証を携帯し、請求があれば提示する
以上これでオシマイ、といいたいが、実際には支払いをクレジットカードでしようとしたところ、エラーになって使えなかった。
まさかクレジットカードは使えないのか?とも思ったが、後日カード会社に問い合わせたら、そんなことはなく、たまたま何かのセキュリティチェックにひっかかったものと思われるとのことだった。
慣れない目覚まし時計での起床で頭がボーッとしているし、なんだか前途多難な第三次遠距離介護ツアーのスタートだった。
第48話につづく
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2017年11月06日

第46話「第三次遠距離介護ツアー出発直前」

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もうすぐ、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)が暮らすH県M市での、第三次遠距離介護ツアーが始まる。
これまでの第一次と第二次の遠距離介護ツアーの経験をふまえて準備する日々が続く。
まず用意したのはPC収納リュックだ。
今回は仕事も少しやってみようと考え、MacBookPro13インチとスモールサイズのペンタブレットを持参することにした。さすがにスキャナーまでは持って行けない。
PC収納リュックは15インチまで収納出来るタイプなので、MacBookPro13インチを入れて更に少しばかりの着替えを入れるくらいの余裕はある。
これまでは着替えもそれなりに持っていったのだが、これから何度も遠距離介護ツアーはあるだろうし、今回からは現地での着替えは現地調達にすることにしたので身軽なのである。リュックひとつにおさまるくらいの荷物になった。
次に用意したのはジパング倶楽部会員証と会員手帳
これで新幹線も割引になるというので入会したのだが、手引書を読むと、新幹線のぞみ号は利用出来ないとのことだった。つまり、ひかり号やこだま号で乗り継いでちょーだいね!ということのようだ。まぁ2割から3割程度安くなるんだからそのくらいはしかたないかと納得。
最後に用意したのがウクレレ。
いや、べつに父母にウクレレを聴かせる音楽療法といったハナシではない。近々、ウクレレを人前で演奏する機会があるので、そのための練習用だ。今回持って行くのは、リュックにスッポリ入るサイズの、小さなエレキウクレレRISA
エレキウクレレだから、アンプにつながなければほとんど外部に音は洩れず、いつでも練習出来る利点がある。もっとも、父ハム夫くんも母チコちゃんも耳が遠いので、大きな音を出しても全然問題はないのだが。
てなわけで、ウクレレ背負った渡り鳥の、第三次遠距離介護ツアーは準備万端整った!
第47話につづく
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2017年11月01日

第45話「遠距離介護選挙」

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母チコちゃん(86歳)の介護認定訪問調査立ち会いのための第三次遠距離介護ツアーの日程をたてていて、ふと気がついた。
今回は2週間程度の滞在になりそうだが、ちょうど選挙の告示日と投票日にモロ重なっているではないか。
選挙で投票してもほとんど何も変わらないよな〜(たいていは泡沫候補とよばれる人に投票しているからかも知れないが)と思いつつも、最近はほぼ投票に行っている身としては、今回の選挙は棄権したくない。
今まで期日前投票はしたことがあったが、今回のようなケースは初めてである。
遠距離介護などで投票日に居住地にいなくて、期日前投票も出来ない場合は不在者投票という手段がある。
まずは住んでいる区のウェブサイトで調べたら、以下のような手順だった。
(1)不在者投票請求書PDFをダウンロード
(2)上記をプリントアウトして必要事項を記入
(3)選挙管理委員会窓口で不在者投票請求
(4)請求書記載住所に投票用紙が送られる
(5)滞在先で投票用紙を受け取り、滞在先で投票
(6)滞在先選挙管理委員会から居住地選挙管理委員会に投票用紙発送
ああ、めんどうくさい。
でも、こんなにがんばって手続きして投票しても、選挙の結果はいつものようにアレな結果になりそうな気がする。
介護も選挙も、なかなか思うようにはいかない。
第46話につづく
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2017年10月30日

第44話「クブンヘンコーシンセー」

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利用している介護事業所から連絡があり、母チコちゃん(86歳)の「クブンヘンコーシンセー」をしたいとの要望があった。
クブンヘンコーシンセーとはなんぞや?
事業所との会話では、クヘンとも略されているようだが、もちろんバームクーヘンとは何も関係がない。
だんだん話しているうちにどうやら区分変更申請らしいとわかってきた。
要するに、現在要支援1で介護サービスを受けている母チコちゃんだが、支援1には相当しないと介護事業所が判断したのだ。
なぬ〜っ、それってまた申請書を出して、訪問調査に立ち会い、介護認定通知を受け取り、介護サービスの契約をするという、あの一連の流れをもう一度やるということなのか?
これまで第一次と第二次の遠距離介護ツアーでいろいろやったことがリセットされるなんて、あの大騒動はいったい何だったんだよ〜!と叫びたいのをジッとこらえて、「わかりました」と答えたのだった。
さっそく申請手続き開始である。
申請書の提出手続きは、実家からクルマで1時間の所に住んでいる妹U子にたのむとして、訪問調査のほうは、前回は近所に住む親戚のS子さんに立ち会ってもらったので今回はボクが行くしかないだろう。介護認定通知の郵便は、前回は父ハム夫くん(92歳)が受け取ってどこかにしまいこんでしまい大探しをしたが、あれ以来郵便物は妹U子のところに転送するようにしたので、今回は大丈夫だ。
こうして、第三次遠距離介護ツアーへの道が開かれた。
やれやれ、いつまでこんなことが続くんだよ、というココロのつぶやきツイート。
第45話につづく
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2017年10月27日

第43話「混乱する母」

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遠距離介護の欠点は、近くにいないぶん実際の状況がよくわからないこと。
連日のように事業所や、ご近所や、地域包括センター等から連絡が入るのだが、それらを総合してみると、浮き上がってくるのは、うろたえて混乱する母チコちゃん(86歳)の姿だ。
【玄関の鍵さしっぱなし事件】
訪問した看護師さんが、玄関ドアに鍵がさしっぱなしなのを発見して注意したところ、母チコちゃんは「これは父ハム夫くん(92歳)のしわざじゃ、ハム夫くんはいつも施錠ばかりしてるから」と言ったのだそうだ。確かにハム夫くんは施錠に執着していてすぐに鍵をかけるのだが、それは家の中からのチェーンロックに限ってだから、ほとんど外出しないハム夫くんが玄関ドア外の鍵穴に鍵をさしっぱなしにすることは考えられない。たぶん、母チコちゃんが自分で鍵をさしっぱなしにしていたのを忘れたのだろう。
【買い物カート事件】
近所に住む親戚のS子さんに、母チコちゃんが、買い物カートがなくなったと訴えたそうだ。それもただの紛失ではなく、父ハム夫くんがどこかに捨てたか隠したと言うのだ。そんな大きいものをハム夫くんがどうかするとは考えにくい。これをきいてピーンときたS子さんは、愛車をぶっ飛ばして近所のスーパーに行き、店内に放置してあった買い物カートを発見して持ち帰ってくれたのだった。なんでもかんでも自分の周りの不可解なことをハム夫くんのせいにする母チコちゃんだった。
【父ハム夫くん意識不明事件】
介護事業所からの電話で、父ハム夫くんが意識不明なので今スタッフが家に向かっているとの連絡がはいった。えっ、どーゆーこと?慌てて家に電話したら、すでに到着していた介護事業所スタッフが電話に出た。
スタッフが母チコちゃんにきいたところによると、気付いたら玄関先に座り込んで意識不明だったとのこと。スタッフによると現在は血圧は少し高いものの熱もなくとくに異常はないと報告だった。本当に意識不明だったのか疑問は残る。単に座ってボーッとしていただけなのかも知れない。
とまぁ、お騒がせ続きの母チコちゃんだが、当の本人が全然深刻でないのだけが救いではある。
第44話につづく
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2017年10月25日

第42話「情報共有は20世紀方式」

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遠距離介護は、実際に近くにいないぶん情報がより大切になる。
連日、父ハム夫くん(92歳)と母チコちゃん(86歳)に関して、キーパーソンたるボクのところにさまざまな情報がはいってくる。
情報の出所は、地域包括支援センター、市役所、介護事業者、かかりつけ医、民生委員、近所の人々などからだ。
これって、昔何かで習ったステークホルダーとかいうものでしょうか。違うかも知れないが、まぁ平たく言えば関係者ですね。
この関係者間で、情報共有ツールやアプリを利用すれば話は早いのだが、全然そうはいかない。
話が早いと言うより、遅い、遅い。
遠距離介護で、これらの人々と連絡をとりあうことが増えたのだが、一番頻繁に使われる手段は電話なのである。
21世紀に入ってからは公私ともにインターネットで事足りるようになっていたのに、電話、しかも固定電話にバンバン連絡が入って来る。もう何年も固定電話は使用していなかったのでそろそろ解約しようかとも考えていた矢先だったので、これにはビックリしている。
そう、遠距離介護の連絡手段は20世紀方式なのだった。
介護事業所とショートメッセージで連絡をとる場合もあるが、これも一台の携帯電話を共同で使っているらしく、なかなかケアマネ本人には連絡がとれなかったりする。
そんなわけで、両親の介護関連では、通常のメールやらLINEは使っていない。
唯一の例外が、近所に住む親戚のS子さん(75歳)で、LINEを使えるのでとても助かっている。
これらの人々からの情報をまとめて、一ヶ月に一度月例報告としてPDFを、実家からクルマで1時間の所に住んでいる妹にメールに添付して送っている。PDFにするにあたって一ヶ月分のメモを整理していると、ずいぶん前の出来事だと思っていたことが、ああこのトラブルは今月だったのかとびっくりすることもある。介護する方もされる方も時間の流れがこれまでの日常とは違っていることを実感するのだった。
この月例報告をいつまで続けることになるのか。
マンガの連載と同じで、急に始まり急に終わるかも知れないし、ダラダラと当人もビックリの長期連載になるかもしれない。作者急病により休載しますなんてこともあるかも知れず、先は読めないのだった。
第43話につづく
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